トイレタンクの構造・仕組みとは?【5分で丸わかり!故障時の修理方法も】
私たちがいつも使っているトイレは、通常、便器本体とその後ろにある箱型のトイレタンクに分かれています。
普段開けることのないタンク内部にはいろいろな部品があり、すべてが正常に作動することで、レバーひとつで快適にトイレの水を流せます。
この記事では、そんなトイレタンク内部の構造や仕組み、各種パーツについて分かりやすくご紹介します。
また、別記事で故障の際の修理方法についてもまとめていますので、トイレのトラブルでお悩みの方はぜひあわせてご覧ください。
トイレタンクの構造について【各パーツの仕組み】
トイレタンクは、陶器製がほとんどです。トイレタンクの内部には、さまざまな役割を持つ部品が正常に機能することで、問題なくトイレが使えているわけです。
ボールタップやレバー、ゴムフロートなどを始め手洗い管のあるトイレタンクも広く出回っています。
では、早速ですがトイレが機能するために必要な各部品の役割をご紹介していきましょう。
ボールタップ
「ボールタップ」は、タンク内にある部品のひとつです。根元がタンクの外の給水管につながっており、先端には浮き球がついた支持棒がついているのが特徴。
レバーを引くことでフロートバルブが持ち上がってタンク内の水が便器内へと流すときに、タンク内の水位が下がるのと同時にボールタップ先端の浮き球が下がる仕組みです。
これによりボールタップ内の弁が開かれ、タンク内の水を補給する働きをします。
タンク内の水位が戻って浮き球が元の位置に戻ると、ボールタップの弁も閉じて給水を終える仕組みです。
トイレタンクからの水が止まらない時やタンクに水がたまらない時などは、ボールタップの故障が考えられます。
トイレタンクのボールタップ交換費用は、8,000~10,000円が相場です。
オーバーフロー管
「オーバーフロー管」は、トイレのタンク内にある管状の部品です。根元の部分にはフロートバルブが固定されています。「あふれ管、溢水管(いっすいかん)」などとも呼ばれます。
オーバーフロー管は「-WL-」という刻印がされているものがありますが、これはタンク内の「標準水位」とよばれる、最低限ためておく必要がある水の量を示しています。
刻印がないものは、オーバーフロー管の先端から2~3cm下が標準水位と判断しましょう。
タンク内部の部品が正常に動いているときは、特別な動作をしません。しかし、フロートバルブの故障などの原因でタンク内の水位が上昇し過ぎ止まらず、あふれてしまいそうになったときに中空になっている管の内部を通して水を排出する役割があります。
オーバーフロー管の交換を業者に依頼すると、8,000~15,000円程度が相場です。
フロートバルブ&チェーン
「フロートバルブ」は、水洗レバーの先にチェーンでつながれているゴム製の部品です。フロート弁、ゴムフロートなどとも呼ばれることも。
レバーを回すことでフロートバルブが開いて水を流し、一定量に達すると排水口を塞いで水を止める役割があります。
水が止まらない・たまらない場合は、フロートバルブの劣化や故障も原因の一つとして探ってみましょう。
ゴム製のものが多いですが、近年ではフロートバルブがプラスチック製のものも登場しています。プラスチック製のフロートバルブにはパッキンが取り付けられており、それがゴム製のフロートバルブのように同じ機能する仕組みです。
浮き球
「浮き球」はボールタップの支持棒の先端にある球状・円形の部品です。水位の変化に合わせて浮き球が上下し、水量を調整する役割を果たしています。
その動きが支持棒によってボールタップに伝わり、ボールタップの弁の開閉に関わっています。
レバー
トイレのタンクの外についているのが「レバー」です。レバーの先は軸状の形をしており、フロートバルブのチェーンが接続されています。
レバーが空回りするトラブルも珍しくありません。空回りするのは、チェーンが切れたことでレバーが正常に使えていないわけです。
チェーンの交換を済ませましょう。
止水栓
「止水栓」は、壁の中にある給水管から、タンクへと水を送るパイプの間の、床や壁に近い位置に取り付けられている栓です。
マイナスドライバーを使って右方向に回すことでタンクへの給水を止めることができます。
水漏れなどのトラブルが起きたときや、部品の修理・交換を行うときは、最初に止水栓を閉めるのが鉄則です。
止水栓を閉めるにはマイナスドライバーが必要ですが、「ハンドルタイプ」とよばれる水道の蛇口のような形状のものは、マイナスドライバーなしで可能です。
トイレタンクから便器に水が流れる仕組み
普段何気なくレバーを回しトイレに水を流していますが、この間ボールタップやフロートバルブなど、タンク内の部品が正常に機能しているからこそです。
まず、レバーを回すことで、フロートバルブが持ち上がって、タンク内の水が便器の中に流れ込みます。それとともにタンク内の水位が下がりはじめ、ボールタップ先端部分にある浮き球も下がります。このことでボールタップの弁が開き、タンク内に水が供給されます。
水位が元通りになって、浮き球の位置も元に戻るとボールタップの弁が閉じて給水が終了。さらに、フロートバルブも元の位置に戻って排水口を塞ぎます。
レバーを回して水が流れ、水が止まるまでの間にタンクの内部で行われている一連の流れと理解しましょう。
トイレタンクの構造を理解して自分で修理する方法
トイレタンク内部の部品が壊れた場合、自分で修理を試すことも場合によって可能です。
ここではボールタップ、オーバーフロー管とフロートバルブの修理方法についてご紹介します。陶器製のタンクは割れやすいため、取り扱いには注意が必要です。
各メーカーごとのトイレタンク修理対応方法
まずは、お使いのトイレのメーカーを見て、メーカー・修理業者・自分で修理ができるかを見極める際、ぜひ下記記事も参考にしてみてください。
詳細記事 | |
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TOTO | TOTOのトイレ修理方法!メーカーサポートと近隣業者の違い |
LIXIL INAX |
LIXILのトイレ修理!メーカーと業者を比較!自分で直せる3つの事例 INAXのトイレ修理方法!メーカーと業者の比較 |
Panasonic (パナソニック) |
Panasonicのトイレ修理の情報完全版 |
タカラスタンダード | タカラスタンダードのトイレ修理は自分でできる?依頼先は? |
ジャニス | ジャニスのトイレ修理は自分でできる?方法3選 |
アサヒ衛陶 | アサヒ衛陶(えいとう)のトイレ修理はどこに依頼? |
近年では、トイレタンクの形状も一般的なものからロータンクまで多様化しています。さらには、トイレタンクのないタンクレストイレも登場。限られたスペースを有効利用できるように、コンパクトなトイレやロータンクトイレも各種発売されています。
また、節水や節電効果の高いエコなトイレも人気です。掃除の悩みを軽減する構造や材質のトイレもTOTO・LIXIL(リクシル)各社から、発売されています。
それだけに、水量不足でトイレつまりが発生したり、高機能ゆえに修理が複雑になったりする面も。
「TOTOトイレタンクの修理なら直接メーカーへ問い合わせる方がいいのか?」「LIXILトイレタンクを見てもらうのに、近隣業者でも対応できる?」「費用を安く依頼するには?」など、トラブルに遭うとどこの業者に依頼するのがベストなのか悩むでしょう。
簡単な修理で自分で直せるケースもあれば、一刻も早くメーカーや業者に見てもらう必要があるケースも。症状や状況に合わせて最適な対処を選択しましょう。
ボールタップ
ボールタップの交換は、まず止水栓を閉めてからタンクの蓋を取り外し、ボールタップがつながっている給水管のナットを外します。ボールタップを引き抜いて外したら、新しいものと交換。
タンクの蓋は、比較的重いものです。作業の際には落下して破損させないように取り扱いに注意しましょう。
浮き球のトラブルがある場合に、使用年数や状態を見て、ボールタップごと交換する作業も少なくありません。
オーバーフロー管
オーバーフロー管の交換は、止水栓を閉めてタンク内部の水を抜き、タンク本体を取り外した上でオーバーフロー管をタンクの下から交換します。
タンク本体となると重量があるため、取り扱いにいっそう注意しましょう。抱えられる自信がない、元に戻せるか不安な方は、すみやかに業者に相談をすることをおすすめします。
フロートバルブ&チェーン
フロートバルブの交換の際も、まずは止水栓を閉めます。オーバーフロー管の交換と同様、その後にタンクの蓋を開け、タンク内の水を抜く必要があります。
水を抜いたあと、フロートバルブのチェーンに異常がないか、フロートバルブがきちんと排水口にはまっているかなどの確認を行い、必要に応じてフロートバルブの交換を行います。10年を目安に交換するのがおすすめです。
トイレタンクの構造は複雑!悪化させないよう業者へ修理相談を
この記事では、トイレタンクの構造や各部品の働き、部品の修理法をご紹介しました。
自分での修理に少しでも不安があれば、症状を悪化させないために専門の業者に修理を依頼しましょう。トイレタンクの故障の原因次第ではプロでしか修理できないケースも。
すぐにでもトイレつまりやトイレタンクの水漏れなどのトラブルを早く直したいなら、宮城・福島対応の地域密着水道局指定店の『マルキンクリーン』へ、お気軽にご連絡ください。
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