トイレの水が流れない原因6つと各対処法のまとめ!自分で直す?業者に任せる?
トイレの水が流れないと非常に困ります。まずは、原因を探るためにトイレをチェックしてみましょう。
今回は、トイレの水が流れない時の原因と各対処法をご紹介します。自分での応急処置、タンク内の部品の交換やレバーの交換修理など詳細にまとめました。
しかし、業者に依頼しないと対処できないトイレトラブルも。気になる業者の費用相場もまとめています。
トイレの水が流れなくて困った時に、ぜひ参考にしてみてください。
トイレタンクの水が流れる仕組みとは?
トイレのトラブルに対処する前に、トイレの水が流れる仕組みを理解しておくのが肝心です。
- レバーを回すことで、鎖で繋がっているゴムフロートが引き上げられ、タンク底にある排水弁が開く
- これにより便器に水が流れます。水の流れが終わると、自動でゴムフロートが閉まる
- タンクの水が減ると浮き玉が下がり、給水される
- 給水で浮き玉が上昇し、正常な水位まで来ると給水が止まる
水が流れる仕組みを理解しておくと、トイレつまりや水が流れないなどのトラブルの際に、原因となりそうな箇所を特定しやすくなります。
仕組みが分かれば、定期的な確認も可能。トラブルの予防にも役立ちます。
トイレの水が流れない6つの原因
トイレの水が流れない時に考えられる原因は、6つあります。
トイレの水が流れないのはつまりだけではなく、トイレタンクの故障や水圧の問題など原因はさまざま。まずは、できる範囲で原因を探り、対処方法を検討して行きましょう。
【水圧不足】トイレの水が流れない時の対処法
トイレの水が流れない時に、まずチェックして欲しいのは以下の2点です。水圧が弱いために水を正常に流せていないのではないか、まずは疑ってみましょう。
止水栓の確認・調整する
止水栓が、点検や工事で閉栓したままになっていませんか?頻繁に開け閉めするものではありませんが、点検や引っ越し後などに開栓を忘れている場合もあります。
閉まったままなら、マイナスドライバーか付属工具で反時計回りに回して開けます。水量を多くしたい時には、さらに調整してみてください。
タンクの水量を調整する
また、タンクの水量も確認しましょう。水量が少ないと当然水圧も弱まってしまいます。
止水栓の調整で問題がないのに、タンク内の水が充分に溜まらないことで、トイレの水が流れないトラブルが起こることも。
オーバーフロー管には、タンク内部の正常水位を示す「-WL-」という印があります。これにより、水位に問題がないかを確認できます。
印がない時には、オーバーフロー管の先端から2~3cm下の位置を目安にしてください。
オーバーフロー管の水位が正常の場合 | チェーンの長さを調整する |
オーバーフロー管の水位が下がっている場合 | ボールタップの位置を調整する
ボールタップの調整リングで調整する 調整リングなしなら、アームで高さを調整する |
オーバーフロー管の水位が正常かどうかによって、上記の調整をすると水量を増やせます。
【トイレつまり】水が流れない時の対処法
トイレの水が流れない時、まず、トイレつまりを疑う方も多いでしょう。トイレの排水管は、S字状になっていてつまりやすい構造です。
水が流れない時には、以下のおすすめの対処法を試してみてください。ただし、トイレットペーパーや便のつまりにのみ有効な方法です。
異物が原因の時は、逆につまりを悪化させてしまう可能性もあります。
まずバケツの水を流して応急処置
まずは、トイレつまりで水が流れない時は、バケツの水を流して対処してみましょう。バケツの水なら、どこの家庭でもすぐに準備できます。
トイレがつまった時に、パイプフィニッシュを入れる方もいるかもしれません。しかし、パイプフィニッシュは洗面所やキッチンのつまりを解消する目的の薬剤なので、トイレつまりにはおすすめできません。
- 便器の水を可能な限り汲み取る
- 腰の高さからバケツの水を勢いをつけて入れる
- 何度か繰り返す
- バケツの水を少量流しつまりが解消したか確かめる
もっと効果的なのは、お湯を使う直し方です。お湯だとトイレットペーパーがふやけるのが早くなります。
日用品での直し方
トイレつまりを直すには、家庭にある日用品も効果的です。ラバーカップがない場合には、ペットボトルを代用するのもおすすめ。
- 500mlのペットボトルを加工する
- 便器の水を調整する
- ペットボトルの口側を押えて、切り取った方を便器に当て押し引きする
- バケツの水を流してトイレつまりの解消を確認する
ペットボトルの加工といっても、カッターやハサミで底をカットするだけなのでそれほど手間はかかりません。「すっぽんを取り扱っているお店が近くにない」という方は、ぜひ試してみてください。
さらに、重曹とお酢(クエン酸)、ぬるま湯を使った直し方も便利です。エコの観点から、重曹やクエン酸をいつも使っている方も多いでしょう。
- 便器の水をできるだけ汲み取る
- 重曹→クエン酸(酢)→お湯の順番を間違えずに入れる
- トイレの蓋を閉めて1時間放置する
- バケツの水を少量流してトイレつまりの解消を確認する
重曹やクエン酸、お湯を上手く発泡させるため、順番通りに入れるように徹底しましょう。
ラバーカップでの直し方
ラバーカップは、トイレつまりの専用道具です。「すっぽん」の呼び方が定着しているでしょう。
- ラバーカップが浸かる程度に便器の水を調整する
- ラバーカップをゆっくり密着させて押し込む
- ラバーカップを勢いよく引く
- 押し引きを繰り返すと解消しやすい
- バケツの水を少量流してトイレつまりの解消を確認する
購入するのなら、ラバーカップのサイズと種類(和式・洋式・節水型)を確認しておきましょう。
【故障】トイレの水が流れない時の対処法
トイレの水が流れない原因には、故障や施工不良の場合もありがちです。たとえば、タンク内の部品や手洗い管のトラブルなども。また、引っ越し時の施工不良など、いろんなケースが考えられます。
部品の劣化なら部品交換だけですぐ直る場合もあるため、知っておくと便利です。
トイレレバーを交換する
レバーが空回りしたり定位置で止まらなかったりしたら、正常に水が流せません。
空回りしている時は、チェーンの長さを調節すると直せます。チェーンが外れたり切れたりしていないかを確かめてください。
ただ、定位置でレバーが止まらない場合には、レバーの劣化があるため部品の交換が必要です。
- 止水栓を閉め、タンクの水を抜く
- レバーとつながっているゴムフロートのチェーンを外す
- レバーの固定ナットを外す
- 新しいレバーに交換し、固定ナットを締めチェーンを取り付ける
- 止水栓を開き、レバーの動作を確認する
レバー交換は、レバーと工具があれば比較的簡単にできます。もし、交換しても水のトラブルが解決しない時には、業者に相談しましょう。
フロートバルブを交換する
フローバルブは、レバーとチェーン(鎖)でつながっている栓のことです。レバーを動かすと、連動してフロートバルブが開栓・閉栓します。
フロートバルブの劣化を調べるには、直接、ゴム玉を触ってみましょう。指に汚れが付くようなら、フロートバルブ交換時期の目安です。
- 止水栓を閉め、タンクの水を抜く
- フロートバルブとレバーをつなぐチェーンを外す
- フロートバルブをオーバーフロー管から外す
- 新しいフロートバルブをオーバーフロー管に取り付ける
- レバーにチェーンを掛ける
- 止水栓を開き、レバーの動作を確認する
フロートバルブの交換は、部品を入手できれば工具も不要なのでそう難しいものではありません。
1,000円程度で入手できるとはいえ、メーカー、型番を確めた上で適合するものを購入しましょう。購入の際には、手元にあるフロートバルブを持参する方が間違いがありません。
チェーン(鎖)を交換する
トイレタンクのチェーン(鎖)の位置がずれたり、絡んだりすることがありますが、この場合は正すだけで簡単に直せます。しかし、チェーンが完全に切れている場合は、新しいものとの交換が必要です。
- 止水栓を閉め、タンクの水を抜く
- フロートバルブとレバーをつなぐチェーンを外す
- 新しいチェーンをフロートバルブとレバーに取り付ける
- 止水栓を開き、レバーの動作を確認する
チェーンの長さは、ややたわむ程度に調整しましょう。レバーを引いた時の感触で試してみると分かりやすいです。
チェーンが切れていた場合、かなり年数が経過していると思われます。ついでにフロートバルブの確認もしておきましょう。トイレの水が流れないトラブルの再発を防ぐためにも、チェーン一体型のフロートバルブへの交換もおすすめです。
浮き球を交換する
トイレタンクを見ると、浮き球がついているものもあります。給水・止水をする上で、ボールタップと浮き球の連動は大事な役割を持っています。
レバーとボールタップ、浮き球の動きと水の流れ
- レバーを回すとタンクの水が流れ水位が下がる
- 水面の浮き球が下がるとボールタップの弁が連動して開く
- 弁が開くと給水管から水が出て、今度は浮き球が上がってくる
- 浮き球が上がってしまうと、ボールタップの弁が閉じる
浮き球はプラスチック製。劣化や破損があると上記のように正常に作動しません。
浮き球のみの交換方法
- 止水栓を閉め、タンクの水を抜く
- 手洗い管と補助水管を取り外す
- ボールタップから浮き球を外す(ナットをレンチでゆるめる)
- 新しい浮き球をボールタップに取り付ける(ナットを締める)
- 止水栓を開き、水をため浮き球の動きを確認する
- 手洗い管と補助水管を取り付ける
- 正常に水が流れるかを確認する
浮き球の交換は、DIYに慣れない人には多少難しさがあります。狭いトイレタンクにおいて、工具を使って作業をするためです。しかも、トイレのスペースが狭いといっそう作業しづらくなることも。
新しい浮き球の購入は、1,000円程度で済むものの、交換には技術を要する場合もあると考えておきましょう。
- 交換に自信がない場合
- 水が流れない原因が浮き球だと断定できない場合
自分で浮き球の交換が無理だと判断したら、業者に相談しましょう。
手洗い管の水が出ない時
トイレの上にある手洗い管から水が出ない、タンクの水が給水されない場合もあります。
この場合は、ボールタップと浮き球の交換、またはダイヤフラムの交換が必要です。
ここでは、ダイヤフラムの交換方法をご紹介しましょう。
- 止水栓を閉め、タンクの水を抜く
- 浮き球をまず外し、ボールタップを押さえナットでゆるめダイヤフラムを外す
- 新しいダイヤフラムを取り付ける
- 止水栓を開き、レバーの動作を確認する
ダイヤフラムは、ボールタップに取りつけられた、給水の調整をする部品です。ボールタップのキャップを外すと中に入っています。
1,000円前後で販売されていますが、しっかり適合する部品を買い求めましょう。
トイレのリモコンやセンサーの不具合
トイレの水を自動で流したり、トイレに入るとセンサーが感知して蓋の開閉をしたりしてくれるトイレも増えてきました。
リモコンが正常に作動しない時は、以下を試してみてください。
- トイレ本体の電源を抜いて入れ直す
- リモコンの電池を新しくする
- リモコンの電源「入」「切」を確認する
- リモコンの送信部、トイレ本体の受信部を掃除する
トイレタンクに問題がなくても、リモコンやセンサーの不具合においても水が流れないトラブルがあるので、ランプの点灯や蓋の自動開閉など意識をしておくのが無難です。
【冬の凍結】トイレの水が流れない時の対処法
トイレ自体に問題がなくても、冬場の凍結で水が流れない場合もあります。
屋外のトイレや冷え込みが厳しい位置にあるトイレは、給水管が凍結してしまうことも。また、排水管でも凍ってしまうと水が流れにくくなります。
水が流れないだけではなく、トイレ自体の破損やウォシュレットの故障にもなり兼ねません。
凍結時の対処法は以下の通りです。
- トイレで暖房器具を使い室温を上げる
- 凍っている箇所にカイロを当てる
- 凍結している配管にタオルを巻いて、お湯(45~55度)をかける
- 排水管の凍結には、お湯を少量ずつ流す
トイレの凍結の予防策
厳寒地では、トイレの凍結を未然に防ぐ対策も行われています。トイレの水抜きが一般的です。タンクの水を空にしておくと、水抜きが終わります。
ウォシュレットの水抜きは、totoやリクシルなどメーカーサイトの説明を見て行いましょう。
凍結が直らない場合には、配管の凍結の程度がひどいかもしれません。業者なら凍結部の把握がしやすいため、適切な対処をしてくれます。
【タンクレストイレ】水が流れない時の対処法
totoやリクシルなどスタイリッシュなタンクレストイレもいろいろと出回っています。
タンクレストイレは、水道管の水圧や電気での水の勢いにより水を流す仕組み。
水が流れない原因は、次の2つが考えられます。
- 水圧不足
- バルブやポンプ、電気の故障
元々、タンクレストイレは高台の住宅、戸建て住宅の2階、築年数が古い住宅では、水圧の確保が難しいとされています。
水圧の確保が可能と判断しタンクレストイレを設置したのに、水圧が充分にない場合、従来のタンク式トイレに交換が必要な場合も。
近年では、そうしたタンクレストイレのデメリットを解消できるトイレも出回るようになりました。
水圧調整が可能なブースター付きタンクレストイレは、リクシルの「サティス」totoの「ネオレストハイブリットシリーズ」。
一方、バルブやポンプ、電気系統の故障の際は、部品交換が必要です。
タンクレストイレで停電時の水の流し方
停電時にタンクレストイレで水を流すには、主に2つです。
- 非常用電池がありレバーで流せるタイプ
- ハンドルの操作で1〜2回程度なら流せるタイプ
流せずに困った時は、応急処置として試してみてください。
トイレの水が流れない!業者に依頼すべき場合
お伝えしたようにトイレの水が流れない時に、自己対応で解消できる時もあります。しかし、業者に依頼すべきトラブルもあるのは確かです。
自分でトイレ修理ができない場合
トイレの水が流れない時に、お伝えした対処法で自分で直そうとしてもできなかった場合には、業者に早めに相談をしましょう。
たとえば、引っ越しで荷解きや手続きなどに追われている時なら、業者に依頼した方が合理的です。
自分で直そうとしても、そもそも水が流れない原因箇所が間違っていれば、直るわけがありません。また、無理に直そうとして、トイレつまりの原因物を排水管の奥へ進めてしまうと、修理費用が高くつくことになってしまいます。
時間が経っても直らない場合
トイレつまりが原因の時、時間が経過すると自然にトイレットペーパーや便が溶けて解消することもあります。しかし、トイレつまりにもさまざまな原因があり、時間経過では直らないケースも。
また、水圧不足や部品の故障など水が流れない原因の特定は難しいものです。
時間が経っても直らない時は、すみやかに業者に問い合わせしてください。24時間365日受け付けしているところも多いので、活用しましょう。
トイレの水が流れない時の修理費用相場
トイレの水が流れない時に業者に任せると、どれくらいの費用がかかるのかが気になるところでしょう。
修理費用の相場を一覧にしてみました。見積もりを取って比較をする際に、参考にしてみてください。
トイレつまり修理費用相場
軽度のトイレつまり・高圧ポンプ使用 | 5,000円~ |
トイレつまり(ドレンクリーナ―使用) | 15,000円~17,000円 |
トイレつまり(高圧洗浄機使用) | 25,000円~60,000円 |
トイレタンク関連の修理費用相場
ボールタップ交換 | 8,000円~10,000円 |
フロートバルブ交換 | 8,000円~10,000円 |
トイレレバー交換 | 8,000円~10,000円 |
タンク着脱での部品交換 | 11,000円~30,000円 |
トイレ凍結時の修理費用相場
凍結解氷作業 | 8,000円~15,000円 |
水が流れないまま放置するリスク
トイレの水が流れないままで放置すると、さまざまなリスクがあります。暮らしへの影響ばかりか、出費の増加、衛生面の問題も出てくることもあるので早めの対処を考えなくてはなりません。
逆流してしまう
トイレつまりをそのままにしていると、逆流の恐れがあります。しばらく様子を見ても解消しない時は、業者に相談をしましょう。
汚物の逆流があると、封水があっても悪臭が出てきます。生活環境を衛生的に保つ意味でも、水が流れないトイレを放置するのは避けましょう。
階下に迷惑がかかる
集合住宅や賃貸物件の場合は、階下への迷惑が起こります。なぜなら、トイレの配管が共有されていると、上の階でつまったり、階下に水漏れが起きたりという問題が浮上する恐れも。
適切な対処を行わずトイレのトラブルの被害を拡大させると、火災保険での適用外となります。そのため、損害を与えた住人から賠償責任を問われる可能性もあるので、放置は避けるべきです。
トイレの故障が悪化してしまう
トイレの水が流れにくくなっていたり、いつもと違う音がしたりする時は、違和感があってもトイレが使えることもあるでしょう。
このような前兆がある時にも、放置はおすすめできません。むしろ、この段階で早めの対処をする方がトイレのトラブルが軽度で済みます。
- トイレつまりが重度になる
- ウォシュレットの電気系統に影響が出る
- 便座着脱や交換が必要になる
トイレの故障を悪化させないためにも、不具合に気づいた時からの対処がおすすめです。
トイレの水が流れずに困った時はお任せを!
トイレの水が流れない時の原因と対処法をお伝えしました。いざという時、直し方を知っておけば、適切に対処できるはずです。
費用相場を理解しておくと、優良業者を見つけやすくなります。
すぐに依頼したい方は、『マルキンクリーン』にご相談ください。年間1,500件の実績がある仙台市の水道局指定工事店です。
トイレの水が流れない時に、最短なら30分で駆けつけます。出張・お見積りは無料です。お気軽にお問い合わせください。