分譲マンションの水漏れはどうする？適切な相談先や原因別の対処法を解説

この記事では、分譲マンションで水漏れした際の対処法について解説します。水漏れしてしまう理由はさまざまなので、本記事を参考に原因に合った対処を行ってください。

記事後半では、被害対処後の再発予防法についてもご紹介します。分譲マンションにお住まいの方は、ぜひ最後までご覧ください。

分譲マンションの水漏れは誰の責任になるのか【費用負担はどうなる？】

分譲マンションで水漏れが発生した際、最も気になるのは「誰が責任を負うのか」という点でしょう。水漏れの原因によって、住戸の所有者が責任を負うケース、管理組合が対応するケース、さらには賠償責任が発生するケースなど、状況に応じて異なります。

以下では、水漏れの原因ごとに責任の所在がどうなるのかを解説していきます。

水の流しっぱなし等の人的ミスの場合

水漏れの原因が居住者の人的ミスによるものであれば、その全て本人の責任となってしまいます。たとえば、水を流しっぱなしにしたまま外出してしまった場合や、洗濯機のホースが外れていたのに気づかず放置してしまった場合などが挙げられます。

トイレの詰まりや水道の凍結による水漏れも、事前に対策をしていれば防げるトラブルです。このような人的ミスによる水漏れが発生すると、まずは自室の被害が発生し、それが階下の住戸にも及んでしまうケースがあります。

階下の住戸に被害を与えてしまった場合、損害賠償を求められる場合もあるため、注意が必要です。特に長期間自宅を空ける際には、蛇口をしっかり閉め、必要に応じて止水栓を締めておくことが大切です。

また、寒冷地では冬場に水道凍結が起こりやすいため、適切な水抜きを行うなど、トラブルを未然に防ぐ対策が必要です。

マンションの配管から水漏れしている場合

マンションの配管は、経年劣化や施工不良によって水漏れを引き起こす場合があります。配管の接続不良や、配管にできた小さな亀裂から水が漏れ、床下など見えない場所でトラブルの発生はよくあります。

配管からの水漏れが起きた場合、まず確認すべきはその配管が専有部に属するものか、共用部に属するものかという点です。

専有部に属する配管であれば、その修理や損害賠償の責任は住戸の所有者にあります。

一方で、共用部の配管であれば、マンション全体の管理を行う管理組合が責任を負うことになります。原因の特定が難しい場合は、管理会社や管理組合と連携して対応を進める必要があります。

トラブルを放置すると被害が拡大するため、早急に調査と修理を行うよう努めましょう。

原因不明の水漏れの場合

調査をしても水漏れの原因が特定できない場合、管理組合が責任を負うケースが多くなります。

これは、区分所有法第9条（建物の設置又は保存の瑕疵に関する推定）に基づき、「水漏れは共用部分の瑕疵によるものと推定される」とされているためです。

共用部分が原因ではないと証明できない限り、管理組合が修理費用や損害賠償の負担を求められます。そのため、原因が不明な場合でも、管理組合が積極的に調査を進める必要があるのです。

居住者側も、「管理組合の対応が遅いから」などと放置せず、早めに管理会社へ連絡し、調査の進捗を確認しましょう。また、住戸のオーナーや管理組合が加入している保険によっては、原因不明の水漏れに対する補償が適用される場合もあるため、契約内容を確認しておくと安心です。

分譲マンションで水漏れが発生した際の対処法【応急処置と相談先】

分譲マンションで水漏れが発生した際の対処法としては以下の通りです。

• 配管や設備からの水漏れなら止水栓を閉める
• 天井からの水漏れの場合は上の階の人に知らせる
• 管理会社に連絡する

マンションで水漏れが発生した際は、迅速な対応で被害を最小限に抑えられるかもしれません。階下に被害が及ぶ前に応急処置を行い、適切な相談先へ連絡するようにしてください。

以下では、緊急時の対応方法について解説していきます。

1．配管や設備からの水漏れなら止水栓を閉める

水漏れを発見したら、まず行うべきなのは止水栓を閉めることです。キッチンや洗面所、トイレなどの水回りからの水漏れの場合は、止水栓を締めれば一時的に水の流れを止め、被害の拡大を防げます。

止水栓の位置は水回りごとに異なりますが、以下のような場所にあるのが一般的です。

• キッチン・洗面所：シンク下の収納スペース内
• トイレ：便器横の壁または床付近
• 洗濯機：蛇口の根元

止水栓を閉めても水漏れが続く場合は、建物全体の元栓を閉める必要があるかもしれません。そうした場合は、管理会社へ連絡し、迅速に対応してもらいましょう。

2．天井からの水漏れの場合は上の階の人に知らせる

天井から水が滴ってくる場合、上階の住戸で水漏れが発生している可能性が高いです。まずは、バケツやタオルを使って水を受け、被害を最小限に抑えましょう。

このような状況では、速やかに上階の住人に連絡を取り、状況を確認してもらう必要があります。

ただし、上階が最上階や屋上の場合は、屋根や排水設備の問題が考えられるため、管理会社へ連絡するのが適切です。

また、天井の水漏れは建物の配管トラブルが原因の場合も多く、その場合は個別の修理ではなく管理組合による対応が求められます。発生した状況をしっかり記録し、後の対応に役立てましょう。

3．管理会社に連絡する

水漏れが発生した場合は、必ず管理会社や管理組合に連絡を入れましょう。マンションの管理会社は、建物の保守・管理を担当しており、水漏れの原因が共用部であれば管理組合の責任で対応してもらえる可能性があります。

また、個別のトラブルであっても、他の住戸へ影響が及ぶ可能性があるため、管理会社を通じて適切な対処を行いましょう。管理会社へ連絡する際には、以下の情報を整理して伝えるとスムーズです。

• 水漏れの発生場所（キッチン・洗面所・天井など）
• 水漏れの状況（ポタポタ滴る、勢いよく流れ出ているなど）
• 被害の程度（床や壁が濡れている、階下へ水が流れているなど）
• いつから水漏れが発生しているか
• 写真や動画で記録した証拠

管理会社に連絡すると、修理業者の手配や、必要に応じた応急措置の指示を受けられます。特に、夜間や休日でも対応可能な緊急連絡先を事前に確認しておくと安心です。

また、管理会社を通じた対応を行えば、他の住人との直接的なトラブルを防げる点も大きなメリットです。

水漏れは感情的なトラブルに発展しやすいため、冷静に対応するためにも、第三者である管理会社を介して調整を進めることをおすすめします。

分譲マンションの水漏れ確認方法【配管から？それ以外？】

分譲マンションで水漏れが発生した際、最初に行うべきなのは原因の特定です。水漏れを確認する方法としては主に以下の2つが挙げられます。

• すべての蛇口を閉める
• メーターのパイロットを確認する

水漏れの原因によって責任の所在が変わるため、適切な確認を行うことで修理の進行がスムーズになります。ここでは、水漏れの発生源を特定するための基本的な確認方法を紹介します。

すべての蛇口を閉める

水漏れの原因が自身の部屋の設備にあるかどうかを判断するために、まずはすべての蛇口を閉めてみましょう。キッチン、洗面所、トイレ、浴室、洗濯機の蛇口など、すべての水道設備をしっかりと閉めるようにしてください。

もし蛇口を閉めても水漏れが続く場合は、建物の配管や共用部分が原因である可能性が高くなります。一方で、水漏れが止まった場合は、自室の設備や配管に問題がある可能性があります。

2.メーターのパイロットを確認する

すべての蛇口を閉めた後に、水道メーターをチェックしましょう。メーターにある「パイロット」と呼ばれる小さな回転部分が動いている場合は、自室のどこかで水が漏れている可能性が高いといえます。

パイロットが止まっている場合は、水道設備に異常はなく、上階や共用部分など別の場所が原因となっている可能性があります。パイロットの回転が続いている場合は、速やかに管理会社へ連絡し、状況を報告しましょう。

分譲マンション・集合住宅でよくある水漏れ原因3選

マンションや集合住宅で発生する水漏れにおいて、特に多い原因が以下の通りです。

• 浴室や台所の水が出しっぱなしになっている
• 洗濯ホースが外れた
• 不適切な修理・修繕

原因を把握しておくだけでも、トラブルを未然に防いだり、発生時に迅速に対処できたりします。以下では、分譲マンションでよくある水漏れの原因を紹介します。

浴室や台所の水が出しっぱなしになっている

意外と多いのが、水の出しっぱなしによる水漏れです。

たとえば、浴槽の水を溜めるつもりで蛇口を開けたまま外出してしまう、キッチンで水を流しながら別の作業をしているうちに溢れてしまうなど、うっかりミスが原因で水漏れを引き起こすケースがあります。また、浴室やキッチンの排水口に髪の毛や食べ物のカスが詰まり、正常に排水されず溢れてしまうケースもあります。

排水の流れが悪いと感じたら、定期的に掃除を行い、詰まりを防ぐのが大切です。

洗濯ホースが外れた

洗濯機の排水ホースが外れて水漏れが発生するケースも多く見られます。ホースの接続が甘かったり、洗濯機の振動でホースが外れてしまったりするのが原因です。

また、長期間使用しているホースは、経年劣化でひび割れや破損が生じ、そこから水が漏れることもあります。洗濯機を使用する前にホースがしっかり接続されているか確認し、定期的に交換してトラブルを防ぎましょう。

不適切な修理・修繕

素人による不適切な修理が原因で水漏れを引き起こす場合もあります。よくあるのが、DIYで水道の配管を交換した際にしっかりと接続できていなかったケース、また安価な部品を使用したためにすぐに劣化するケースが挙げられます。

また、業者に依頼した場合でも、経験の浅い作業員が施工ミスをしていたり、老朽化した設備をそのままにしてしまったりすると、後々水漏れの原因になりかねません。

水回りの修理は専門業者に依頼し、適切な方法で修繕してもらうのが安心です。

分譲マンションの水漏れを放置するリスク

水漏れが発生した際、適切な対処をせず放置してしまうと、以下のようなリスクが伴います。

• 建物の損傷が進行する
• カビ・ダニの繁殖による健康被害
• 階下への二次被害・損害賠償のリスク

時間が経つにつれて被害が拡大し、修理費用や損害賠償などの金銭的な負担も増える可能性が高まります。

以下で、水漏れを放置した際に生じるリスクについて解説します。

建物の損傷が進行する

水漏れを放置すると、床や壁、天井に水が染み込み、建物の劣化が進んでしまいます。特に木造部分に水が浸透すると、カビや腐食が発生し、建物の耐久性が低下する可能性があります。

さらに、鉄筋コンクリート造のマンションであっても、水分がコンクリート内部に入り込むと鉄筋が錆びてしまい、建物の強度に影響を及ぼすケースも。早めの対応が肝心です。

カビ・ダニの繁殖による健康被害

水漏れによる湿気は、カビやダニの温床となります。カビが繁殖すると壁や床に黒ずみが発生するだけでなく、空気中に胞子が飛散し、アレルギーや呼吸器系の健康被害を引き起こすリスクが高まります。

小さな子どもや高齢者がいる家庭では、カビやダニが原因でアレルギー症状が悪化するケースもあります。

階下への二次被害・損害賠償のリスク

水漏れを放置すると、階下の住戸にまで被害が及ぶ可能性があります。天井や壁を伝って水が浸透し、階下の部屋の天井にシミができたり、電気設備が故障したりするケースも少なくありません。

さらに、水が大量に漏れると家財や家電が損傷し、損害賠償の責任を負うことになります。マンションの水漏れトラブルは、被害を受けた側だけでなく、加害者側も大きな損害を被る可能性があるため、早急な対応が求められます。

分譲マンションの水漏れ事故再発に備えておくべき保険

分譲マンションの水漏れ事故を考慮し、以下の保険を備えておきましょう。

• 個人賠償特約
• 水ぬれ補償
• 破損汚損補償

水漏れ事故は、予期せぬタイミングで発生し、修理費用や損害賠償といった金銭的負担が大きくなる場合があります。水漏れに備えて適切な保険に加入しておくと安心です。

以下では、分譲マンションで水漏れ事故が発生した際に役立つ保険を紹介します。

個人賠償特約

個人賠償特約は、日常生活の中で他人の物を壊したり、他人にケガをさせたりした際に損害賠償責任を負った場合に適用される保険です。

たとえば、自宅の給排水設備の破損によって階下の部屋に水漏れ被害を与えた場合、この特約に加入していれば、相手の損害を補償できます。さらに、個人賠償特約には示談交渉サービスが付帯している場合があり、トラブルが発生した際に保険会社が間に入って交渉してくれるため、スムーズに解決しやすいのも大きなメリットです。

水ぬれ補償

水ぬれ補償は、自宅が他の部屋の水漏れ被害を受けた場合に適用される保険です。

万が一、上階の給排水設備の故障や、洗濯機ホースの外れによる漏水によって、自宅の壁や床、家具が水浸しになってしまった場合、水ぬれ補償に加入していれば修理費用や家財の損害を補償してもらえます。

また、水ぬれ補償は、被害の原因調査が長引いた場合でも、迅速に保険金を受け取れるため、早期に修理を進められるのも嬉しい点です。

破損汚損補償

破損汚損補償は、不注意による水漏れ被害を補償する保険です。

洗濯機のホースをしっかり取り付けずに水を漏らしてしまったり、水道の蛇口を閉め忘れてしまったりした場合、個人賠償特約では補償対象外となる場合があります。しかし、破損汚損補償に加入していれば、こうした過失による損害もカバーされるため、万が一の際にも安心です。

分譲マンションで水漏れを起こさないために【再発予防対策3選】

分譲マンションで水漏れを防ぐために日常的にできるポイントは以下の3つです。

• こまめに掃除・メンテナンスをする
• 定期的に水道料金を見比べる
• 人的ミスをなくす工夫を講じる

水漏れ事故は一度発生すると修理費用や損害賠償が発生するため、事前の予防が非常に重要です。

特にマンションの構造上、一つの住戸で発生した水漏れが他の部屋にまで被害を及ぼすケースが多いため、再発防止のための対策を講じておくようにしておきましょう。

こまめに掃除・メンテナンスをする

水漏れを防ぐために、排水設備や水回りのメンテナンスを定期的に行いましょう。キッチン・洗面所・浴室・トイレといった水回りの排水口は、汚れが溜まりやすく、詰まりの原因になります。

特に以下のようなものは、排水管の詰まりを引き起こすため注意が必要です。

• 野菜くずや揚げ物の油
• 髪の毛
• 水に溶けないウェットティッシュ

また、バルコニーの排水溝も掃除しておきましょう。落ち葉やホコリが溜まると、排水がうまく機能せず、雨水が溢れて水漏れの原因となります。

排水溝がしっかり流れるように、定期的な掃除を習慣化しましょう。

定期的に水道料金を見比べる

水漏れは目に見える場所だけで発生するとは限りません。床下や壁の内部で発生すると、気づかないうちにじわじわと漏水が進行してしまいます。

水道料金の変化をチェックすることで、早期に水漏れの兆候を発見できる場合があります。過去の水道料金と比較しながら、異常な増加がないか確認してください。

もし水の使用量が増える心当たりがないのに料金が上がっている場合、水漏れを疑いましょう。一般的に、水道料金が1,800円以上増えていた場合は水漏れを疑うべきとされています。

異常を感じたら、早めに管理会社や専門業者に相談し、漏水調査を依頼しましょう。

人的ミスをなくす工夫を講じる

水漏れの中には、日常生活のちょっとした不注意で発生するケースも多いです。特に以下のような行動には注意が必要です。

• 洗濯機のホースが外れたまま運転しない
• 水を出しっぱなしのまま外出しない
• 排水口のゴミをこまめに掃除する

特に長期間家を空ける場合は、水道の元栓を閉めましょう。

また、洗濯機を使用する際にはホースがしっかり固定されているかを確認し、日頃から漏水のリスクを減らしましょう。

分譲マンションで水漏れが発生したら冷静な対処を

分譲マンションで水漏れが発生したら、まずは原因を明らかにしましょう。原因に合った対処をすれば、一時的に水漏れを防げます。

しかし、そのまま放置はせずに専門業者へ依頼してください。東北地方にお住まいであれば、ぜひ『宮城・福島・山形エリア対応！地域密着業者のマルキンクリーン』へご相談ください。

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