トイレタンクの故障で水漏れ!原因箇所の見極めと適切な対処法
トイレの水が少量流れ続けて止まらないことがありませんか?
この症状が見られたら、トイレタンク内の故障で水漏れが発生していると考えられます。
今回は、トイレタンク内で水漏れが起きた際の原因の見極め方と適切な対処法をご紹介します。
中には、タンク内の部品の位置を確認したり部品を交換したり、自分で修理できる場合もあるので簡単な作業なら試してみましょう。
しかし、トイレの水漏れは原因が複数あることも多く、専門業者に依頼しないと解決できない場合もあります。
トイレの水漏れは早く解決して、快適に使いたいものですよね。ぜひ参考にしてみてください。
トイレ流水音はタンクの水漏れ?
トイレでいつまでもチョロチョロ音がして、水が止まらないときがあります。
少量でも水が流れ続けているのに気づいたら、トイレタンク内の不具合から起こる水漏れを疑いましょう。
トイレタンクが原因の水漏れが多い
トイレの水漏れは、便器や止水栓、接続部、タンクなどで発生します。この中で、トイレタンクによる水漏れの可能性が高いのは、チョロチョロと流れる音が聞こえるときです。
タンクで何らかの不具合が起きているために、いつもと違う音が出ていると考えておきましょう。
トイレは普通に使用できるからといって、そのまま見過ごしてしまわないように注意してください。
トイレタンク水漏れは放置厳禁
トイレの水漏れを見つけたら、たとえ少量の水が流れ続けるだけであっても放置しないでください。
放置することで、水漏れの被害が深刻になり修理費用も高額になってしまうためです。
トイレ水漏れがさらに悪化する
トイレの水漏れを放置するのは厳禁です。放置してしまうと、必ず水漏れは悪化します。
流れ続ける水の量がごく少量だとしても、常時流れ続けるのは明らかなトイレの異常です。
トイレタンクの部品の破損や劣化で水漏れが起きたとき、そのまま水圧がかかり続けていると、さらに破損を早めてしまいます。
水道料金が上がる
一般的に、水漏れが発生して直ちに対処をしているなどの条件を満たしていると、水道料金の減免が適用されます。
ただし、トイレの水漏れがあるのを認識していて放置し続けると減免が適用されないことも。
少量の水が流れているだけでも、ひと月の水道料金が数千円~1万円程度上がることも珍しくありません。
カビや害虫の発生を招く
トイレタンクの水漏れを放置すると、カビやダニが発生します。
- 床や壁にカビが発生する
- カビを餌にするダニが発生する
空気中に漂うカビが体内に入ると、かゆみ・鼻炎・アレルギー性結膜炎などのアレルギー症状が出てしまいます。
ダニも同様に、アレルギー症状を引き起こす上に、細菌が入って症状の悪化を招くことも少なくありません。カビや害虫が発生する前に、トイレの水漏れを解消しておきましょう。
近隣への被害が広がる
トイレタンクの水漏れを放置し続けると、家屋まで被害が拡大します。
- 戸建住宅:床や壁、柱の腐敗・シロアリの発生原因を作る
- 集合住宅:自室の被害が発生する・近隣や階下への被害が拡大する
特に、集合住宅の場合には近隣住民への被害が出てしまうことで、損害賠償になり、中には訴訟に発展することもあります。トイレタンクの水漏れを放置していて、良いことはひとつもありません。
水漏れは放置することなく、早めの対処をしましょう。
トイレタンク水漏れの応急処置
トイレタンク内の不具合で水漏れの発生が起きているとき、まずは応急処置を行いましょう。
トイレの水漏れは頻繁に起こるわけではないので、慣れていない方がほとんどかと思います。
応急処理が初めての方でも分かりやすいよう、以下、順を追って説明していきます。
まずトイレをきれいにする
トイレタンクの水漏れが疑わしいときには、トイレをまずきれいにしましょう。
実は水漏れではないかもしれません。
- 結露によって湿っているだけ
- チョロチョロ音程度だとトイレタンクの水がたまっているだけ
トイレの濡れた部分を拭き取ってからしばらく様子を見てみると、トイレの水漏れが発生しているかどうかの確認ができます。
トイレをきれいにすることで、水漏れ箇所と漏れている量を確認しやすいというメリットもあります。
トイレ止水栓か家の水道元栓を閉める
実際トイレタンクの水漏れが起きると、どんな応急処置をすれば良いのか慌ててしまって、とっさに行動できない場合もあるでしょう。
まずは、落ち着いてトイレの止水栓を閉めるのが基本です。止水栓は、タンクと床をつないでいる給水管にあるタイプ、床についているタイプがあります。
- マイナスドライバーで右に(時計回り)回す
これで、とりあえず水漏れを止められます。
止水栓を閉めるときには、何回転させたかを覚えておいてください。止水栓を開けるときに、元の状態に戻すことができるためです。
家の水道元栓の場所を確認する
もし、止水栓が固くて閉められないときは、家の水道元栓を閉めましょう。
まず、水道元栓の設置場所を確認してください。
住居形態 | 水道元栓 |
戸建 | 屋外のメーターボックス |
マンション | 室外のパイプシャフト内 |
アパート | 室外のパイプシャフト内
または、アパート全体の設備内 |
水道元栓の閉め方
水道元栓は、以下の手順で閉めましょう。
- メーターボックスの蓋を開ける
- バルブを時計回りに回す
アパートやマンションの場合は、自室だけではなく複数の水道元栓が設置されている建物もあるので、部屋番号を確認してから閉めるように注意してください。
もし、部屋番号がない設備の場合は、水道メーターの「パイロット」(上図参照)を確認します。
- 水を使うと、パイロットがくるくると回転
- 水を使っていないと、パイロットの回転が止まる
水漏れが少量の場合は、パイロットがほとんど動いていないはずです。この場合は、自室の蛇口から勢いよく水を出し、パイロットが勢いよく回るかすぐ確認することによって、自室の水道メーターを識別できます。
パイロットは、自宅で水漏れが起きているかどうかを判断できる重要な部分です。自室の蛇口をすべて閉めた状態でパイロットを確認して、回っていればやはり水漏れが起きていると再確認できます。
作業前にこの水道元栓を閉めて、自室に水が届かないようにしましょう。最後に、パイロットの回転が止まっているかを必ず確かめてください。
トイレタンクふたの開け方
トイレタンクのふたを開ける際は、垂直に持ち上げてください。陶器製なので落とさないよう注意が必要です。
手洗付きのトイレタンクには、手洗金具とボールタップがナットで接続されたタイプのものもあります。
この場合には、ふたを持ち上げたずらした状態で接続部のナットを反時計回りに回す必要があるので注意してください。
トイレタンク水位を確認する
トイレタンクのふたを開けたら、まず水位を確認しましょう。
タンクの水位によって、水漏れの原因がある程度は推測できるためです。
ただし、トイレタンクの水漏れは、単独ではなく複数の部品が原因となり起きているケースもあります。
タンクの水位 | 考えられる原因 |
水位が低い場合 | チェーン
ゴムフロート オーバーフロート管 レバーハンドル |
水位が高い場合 | 浮き玉
アーム ボールタップ |
トイレタンクの正常な水位は、オーバーフロー管に記されている「WL」の位置です。
また、表示がないときには、オーバーフロー管の先端から2~3㎝下を目安にしてみてください。
ご参考までにトイレの水位に関するお役立ち記事は、こちらからご覧ください。
⇒トイレつまりで水位下がるときの対処法!自己解決や専門業者への依頼
トイレタンクの水漏れ原因別の対処法
トイレでチョロチョロと流れるときは、トイレタンク内に何らかの不具合が起きていると考えられます。
上図がトイレタンクの構造です。まずは、タンク内にある部品を確かめてください。簡単に部品の役割をご紹介しておきます。
部品 | 役割 |
オーバーフロー管 | トイレタンクに給水された水があふれ出ることを防止する |
ゴムフロート | ゴムフロートは、トイレタンクの中にある水が便器へ流れないように止める
ゴムフロートが開くとタンクの水が便器へ流れる |
チェーン | レバーハンドルによるチェーンの上げ下げでフロートの排水・給水をする |
ボールタップ | レバーを引くとタンクの水が便器に流れる
ボールタップはタンクに水をためる |
浮き球 | トイレタンクの水量を調節する |
アーム | ボールタップと浮き球を連動させる |
ここからは、部品ごとの修理方法をご紹介します。
トイレタンクの水漏れは、自分で直すことが可能な場合もあります。ただし、修理を始める前にトイレタンクの水を抜かなくてはできません。
レバーハンドルで水を流してしまってから作業を始めましょう。
では、トイレタンク内の水漏れについて原因別の対処法を解説していきます。
オーバーフロー管の修理方法
トイレタンクの水漏れの原因で、良くあるのがオーバーフロー管の故障です。
- 途中にひびが入っている
- 一部が破損している
このようなときは、オーバーフロー管の交換をしましょう。3,000~5,000円ほどで購入できます。
オーバーフロー管の交換方法
- 止水栓を閉める
- タンクの水を流してしまう
- 止水栓からタンクまで接続している給水管を外す
- タンク下のナットをレンチで外す
- タンク本体を取り外す
- タンク底面のナットをプライヤーを使って緩め、オーバーフロー管を外す
- 新しいオーバーフロー管を取り付ける
- タンクを取り付ける
- 給水管を接続する
- 止水栓を開ける
- 水を流して確かめる
ゴムフロートの修理方法
ゴムフロートの劣化や汚れがあると、正しい位置からずれてしまい栓ができなくなります。
- ゴムフロートの汚れの場合 汚れを取り除いて正しく設置する
- ゴムフロートの劣化の場合 新しいものに交換する
ゴムフロートは、円形の黒いゴム製です。耐用年数は10年程度ですが、使用環境や種類によっても変わってきます。
触ったときに黒いものが手につくようであれば、劣化のサインと考えてください。1,000円ほどで購入できます。
ゴムフロートの交換方法
- 止水栓を閉める
- タンクの水を流してしまう
- レバーとチェーンを外す
- オーバーフロー管の根元からゴムフロートを外す
- 新しいゴムフロートを取り付ける
- チェーンの長さを整える
- 止水栓を開ける
- 水を流して確かめる
オーバーフロー管からゴムフロートを外す際、オーバーフロー管を折らないよう注意してください。
チェーンの修理方法
チェーンの不具合では以下のようなものがあります。
- チェーンが絡まっている
- チェーンが何かに引っかかっている
- チェーンが切れている
チェーンの絡みだけなら、ほどくだけで簡単に直せます。また、チェーンが短すぎるとゴムフロートが上がってしまうので、少したるみが出る長さにすれば正常な動作が期待できます。
劣化があれば、交換をした方が安心です。500~600円ほどで購入できます。
チェーンの交換方法
- 止水栓を閉める
- タンクの水を流してしまう
- レバーハンドルの内側とゴムフロートをつなぐチェーンを外す
- 新しいチェーンをレバーハンドルの内側とゴムフロートに取り付ける
- 取付後、たわみができるように長さを調節する
- チェーン交換後、止水栓を開けて正常に水が流れるかを確かめる
トイレタンク内の水漏れを修理では、チェーンの交換はそれほど難しくありません。
チェーンだけの商品もありますが、ゴムフロートとセットになっているものもあるので、部品を確認した際に劣化があればセットタイプに交換すると安心でしょう。
ボールタップの修理方法
トイレタンクの水漏れがあるとき、浮き球を持ち上げたときの状態で原因がどこにあるのかをある程度推測できます。
- 水が止まる⇒原因は浮き球
- 水が止まらない⇒原因はボールタップ
ボールタップが原因と分かれば、トイレに適合する新しいボールタップを探しましょう。
選ぶ際の注意点は、以下の2点です。
- 浮き球ありから浮き球なしにも交換は可能
- 不適合を防ぐために、給水管や手洗い管の位置を確認して購入する
3,000~6,000円ほどで購入できます。
ボールタップの交換方法
- 止水栓を閉める
- タンクの水を流してしまう
- タンク外側につながる給水管を外す
- タンク外側のナットをゆるめボールタップを外す
- 新しいボールナップを取り付けて、給水管を取り付ける
- 止水栓を開け水位を調節する
- 水を流して水漏れがないかどうか確認する
トイレタンクの水位調節方法
タンクの水位調節は、ボールタップの種類によって方法が異なります。ボールタップ交換後に水位を調節してください。
また、トイレタンクの水漏れが高過ぎる水位によって起きているときも、この方法で解消できます。
水位調節リング | 水位を下げる | 水位を上げる |
ある場合 | 反時計回りにまわす | 時計回りにまわす |
ない場合 | アームを下に曲げて浮き球を下げる | アームを上に曲げて浮き球を上げる |
浮き球の修理方法
浮き球に破損や他の部品に接触があると、ボールタップから給水され続けるため、トイレタンクからの水漏れが発生します。
浮き球だけの破損が分かるときは、新しいものと交換しましょう。浮き球だけなら、800円~1,000円程度で購入できます。
浮き球の交換方法
- 止水栓を閉める
- タンクの水を流してしまう
- タンク外側につながる給水管を外す
- タンク外側のナットをゆるめボールタップを外す
- ナットを緩めて浮き球を外す
- 新しい浮き球を取り付けアームを動かして動作を確認する
- 止水栓を開け水位を調節する
- 水を流して水漏れがないかを確認する
アームの修理方法
アームが曲がってしまうと浮き球が正しい位置に上がってきません。そのため、トイレタンク内で過剰になった水がオーバーフロー管から流れて水漏れを起こしてしまうのです。
アームを曲げて調整しましょう。明らかに劣化しているときには、ボールタップごと交換するしかありません。詳しくは、ボールタップの交換方法をご覧ください。
アームの交換費用は、ボールタップ用のアームで浮き球とセットになっているもので600円程度です。
自分で直せるトイレタンクの水漏れ
トイレタンク内に原因がある水漏れでは、自分で対処できる場合もあります。
水漏れの修理を自分でできないかを検討しているなら、まず、以下の条件に当てはまっているかを確認してみてください。
トイレタンクの水漏れ原因が特定できる
トイレタンク内に原因があって水漏れが発生している場合でも、原因が特定できるかどうかが大切なポイントです。
特定できないままに修理や交換を始めようとしても、水漏れの解消にならないばかりか、さらに悪化させてしまうリスクもあります。
また、トイレタンクの水漏れといっても、原因がいくつもある場合もあるので特定しづらいケースも。
原因が分からない場合には、専門業者への相談を始めてみましょう。
トイレタンクの部品を自分で入手できる
トイレタンクの部品を交換する前に、トイレの種類に応じた部品を入手しなくてはなりません。
- トイレタンクの品番を確認する
- トイレメーカーのサイトでタンク部品の製品情報を検索する
適合する部品を特定し、自分で入手できるかを考えてみてください。近くのホームセンターで簡単に見つかるものもあれば、実店舗では品薄でインターネットなら見つかるものもあります。
事前に在庫を確認したいなら、ホームセンターに電話で問い合わせてみましょう。
リモコン式や自動洗浄ではないトイレ
水漏れを自分で直したいと思っても、リモコン式や自動洗浄機能のあるトイレの場合には、自己対処はできません。
むやみに触っていると、他の機能に支障をきたしてしまうこともあります。
専門的な技術を持っている業者に相談しましょう。
10年以上経過していないトイレ
トイレタンクの水漏れが発生したとき、使用から10年以上経過していないかを確認しましょう。
10年を過ぎてしまうと、部品の入手ができなくなることも珍しくありません。
部品の入手ができないと、トイレタンク本体の交換が必要になるケースもあります。
作業できる自信がある
トイレタンク内の水漏れを自分で修理する方法をお伝えしましたが、作業できる自信がある方なら検討してみましょう。部品の交換は、比較的簡単にできるものからやや難しいものもあります。
交換の工程を理解して、作業できそうな手ごたえがある方なら自己対処を目指してみましょう。
逆に、部品の修理や交換に自信がない方は、早めに業者に相談をしてみることをおすすめします。
トイレの水漏れは早く解決しないと困るものだけに、業者への依頼の判断の際に「自分では不安がある」と少しでも感じたら、業者に頼る方が賢明です。
トイレタンク水漏れの料金相場
トイレタンク内が原因で水漏れが起きているとき、業者の料金相場を把握しておくのが重要です。なぜなら、料金相場を知らずに相場からかけ離れた業者に依頼すると、悪質業者に騙されてしまうケースもあるためです。
修理内容 | 料金相場 |
オーバーフロー管の交換 | 8,000円~10,000円 |
タンクレバー交換 | 10,000円~ |
ボールタップ交換 | 8,000円~10,000円 |
ゴムフロート交換 | 8,000円~10,000円 |
その他部品交換 | 5,000円~7,000円 |
タンク着脱がある部品交換 | 10,000円~30,000円 |
トイレは毎日使うものだけに、水漏れの修理が確実に終わり安心して使いたいものです。確かに、費用は自己対処よりもかかりますが業者に任せるメリットは大きいです。
- 確実に水漏れを解消できる
- 他に劣化があれば早く見つけてもらえる
- 短時間で修理や交換が済む
- 安心してトイレを使えるようになる
自己対処が無理だと思ったら、料金相場内の業者を見つけ確実にトイレタンク内の水漏れを解決してもらいましょう。
トイレタンク水漏れを解決するなら
トイレタンク内の故障で起こる水漏れは、いくつもあります。どこが原因かを特定して、手順に従った修理をするのが重要なポイントです。
ただし、自分で解決しようと思ったとき「難しい」「できそうにない」と感じたら、無理に修理をするのはおすすめできません。
トイレタンクの水漏れの原因が複数起きている場合や自己解決が無理な場合もあるため、専門業者に相談をしましょう。
『マルキンクリーン』でもトイレの水漏れ修理を24時間365日受け付けております。
最短なら30分で駆けつけ、トイレの水漏れに経験豊富なスタッフが対応いたします。
お見積りは無料ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。