お湯を使ったトイレつまり直し方【何℃がいい?作業手順と絶対守るべき注意点も】
トイレつまりは、頻繁に起こるわけでもないので道具がない家庭も多いでしょう。
専用の道具がないときに役立つのが、お湯です。お湯とバケツさえ準備できれば、トイレつまりを解消できるケースもあります。
今回は、お湯とバケツを使ったトイレつまりの直し方をご紹介します。
道具を買いに行く時間がない方にも、家庭ですぐに準備できるお湯を使った直し方のコツや手順をまとめました。
ただ、トイレつまりの解消がお湯でできないケースもあるので注意が必要な時も。
お湯が効果的に使えるトイレつまりかどうか、まずはつまりの原因を見極め、スムーズに対処しましょう。
お湯でトイレつまり直る?
トイレつまりが起きた際、自分で解消できる方法がないか探してみると、お湯を使った方法が見つかります。
しかし、「お湯を使って直せる」「お湯を使ってはダメ」と相反する情報があり、本当にお湯を使って直るのかが気になるものです。実際、お湯でトイレつまりを解消できるときとできないときがあります。
そもそも、お湯でなぜトイレつまりが直るのでしょうか?
お湯でふやかして溶けやすくするため
お湯を使うと、水よりもトイレットペーパーを溶けやすくすることができます。
通常の使用でトイレットペーパーがつまっても、2~3時間で溶けるようJIS規格で決められていますが、一度にたくさん流そうとするとトイレつまりが起きてしまうことも。
そんなときにお湯を使うことで、ふやかす時間を短縮できるため、家庭でできる手軽なトイレつまりの解消方法として知られているのです。
トイレつまりの原因は?
確かに、トイレつまりの直し方でお湯を使う方法は、道具なしに試せて便利です。しかし、どのようなつまりの原因でも解消できる万能な方法ではありません。
そのためにも、トイレつまりが起きたとき、つまりの原因をまず把握することが肝心です。
お湯を使ってみる方が良い場合
お湯を使ってみるのが良いのは、水に溶けるものがつまったときです。
- トイレットペーパー
- ティッシュペーパー
- 流せるお掃除シート
- 排泄物
たくさんのトイレットペーパーを流したことによるトイレつまり、排便時に「小」レバーで流したことによるトイレつまりなら、試しにお湯を使ってみましょう。
そもそも、トイレの排水管は細いS字の形状をしているので、水に流せるものでもつまりやすい構造です。トイレつまりを感じたときには、直前に何を流したのかを思い出してみてください。
洗浄レバーの使い分け
参考までに、トイレの洗浄レバーの使い分けとトイレットペーパーの目安をご紹介しておきます。
トイレの洗浄レバーを使うとき、大便時なら「大」、小便時なら「小」と漠然と思っていませんか?しかし実際には、使っているトイレットペーパーの「シングル」や「ダブル」の違いでも、使えるペーパーの長さが変わってきます。正しい流し方を普段から意識し、トイレつまりの対策をしましょう。
洗浄レバー | 使用状況 | トイレットペーパーの目安 |
大 | 大便やトイレットペーパーを流すとき | シングル10m
ダブル5m |
小 | 小便や少しのトイレットペーパーを流すとき | シングル3m
ダブル1.5m |
エコ | 男性がトイレットペーパーを使わずに流すとき | – |
お湯を使わない方が良い場合
逆にお湯を使わない方が良いケースもあります。固形物や異物をつまらせたときには、お湯は使えません。
お湯でトイレつまりを解消できるのは、つまったものが水に溶けるものの場合だけです。
固形物や異物を落した際にお湯を使ってしまうと、圧力でつまったものがさらに奥へ行ってしまう可能性もあり、トイレつまりを悪化させてしまいます。
- ポケットからボールペンを落した
- ペットの排泄物をシートと一緒に流した
- 子供がトイレにおもちゃを持っていき落とした
- 心当たりがないのにつまりが起きた
固形物を落したときだけではなく、トイレつまりの原因が分からないときは、お湯を使うのは避けましょう。最悪の場合、固形物を取り除くために便器の取り外しが必要となる修理になるリスクもあるためです。
お湯を使う際の注意点
水に溶けるものが原因で、トイレつまりを解消するにはお湯の使い方には注意が必要です。
テレビでお湯を使ったトイレつまりの解消方法が取り上げられた直後、誤ったお湯の使い方をしてしまい便器に破損が出た事例もありました。
お湯の温度は45~60度にする
まず、お湯の温度は必ず45~60度にします。ポットのお湯ややかんで沸騰させたお湯を入れると、トイレは陶器でできているので破損する危険性が高いからです。
さらに、熱湯を入れると奥の排水管を傷める可能性も。
45~60度のお湯を準備するには?
適温のお湯を準備するには、以下のやり方がお手軽です。
- 沸騰したお湯に同量の水を入れる
- やかんで加熱するなら湯気が立ってきたタイミング
- 給湯の設定を希望温度にしておく
厳密に水温計を使うほどこだわる必要はありませんが、温度の目安は守りましょう。
熱湯はNG!便器にヒビが入る可能性
熱湯をそのまま便器に注いでしまうと、ヒビが入る可能性が高いでしょう。
熱湯がかかった部分は膨張し、それ以外の部分は熱が伝わるまでに時間差があります。部分的な温度差が激しくなり、ヒビが生じます。
水道修理業者が、安全を確保しながら熱湯を便器にかける実験をしたところ「ピシッ」という音を立てて便器にヒビが入りました。
熱湯を少しでもかけただけでもヒビが入る事態になるため、量に関係なく使用しないようにしてください。
目視で確認できないところに破損が起こることも考えられます。ヒビによる水漏れやケガのリスクもあるので、熱湯の使用は控えてください。
ヒビが生じた箇所の修理はできないので、便器の交換が必要となり高額な出費になることもあります。
お湯でトイレつまり直す手順
トイレつまりの解消を効果的にするには、お湯を使う際の手順に従って進めてみましょう。
必要なものをあらかじめ準備してください。
- お湯
- バケツ
- 新聞
- タオル
- ペットボトルなど水を取り除けるもの
1.床に新聞やタオルなどを敷く
トイレの床に新聞やタオルなどを敷いて、濡れても大丈夫なようにします。
お湯を排水口へ向けて入れる際も、お湯の飛び散りを気にせず作業ができるでしょう。
2.便器の水をできるだけ取り除く
便器の水が残っていると、2つの問題があります。
- お湯を入れても温度がすぐに下がるため溶かす効果が格段に下がる
- 水が残っているとお湯を入れた時に便器からあふれ出す可能性がある
トイレつまりを解消する効果を最大限発揮させるためにも、便器の水はできるだけ取り除いておきましょう。
取る道具がないときには、ペットボトルをカットして使うと、水をすくいやすくなります。
3.まず高い位置からバケツで水を流す
まず始めは、高い位置から水を落としてみましょう。
バケツからやや勢いをつけて水を流し込むことで改善する場合もあるためです。
トイレつまりが軽度だと、お湯を使わなくても直る場合も。
4.同じように高い位置からバケツでお湯を流す
今度は、お湯を高い位置から排水口へ流し込みます。
お湯でトイレットペーパーやシートなどが溶けやすくなる上に、高い位置から流し込む勢いも加わるため、短時間で溶けやすくなります。
5.1時間ほど放置する
お湯を流し込んだら、ちゃんとトイレつまりが解消されたかどうか気になるものでしょう。
しかし、トイレットペーパーやシートなどを上手く溶かすためにも、1時間は放置しておくようにしてください。
6.バケツで水を流してつまりの解消を確認する
1時間経過したら、バケツで水を流してみてトイレつまりの解消を確認してみましょう。
いきなりレバーで流すと、つまりが解消されていない場合に水があふれる恐れがあるためです。
バケツの水を加減しながら流して、問題なく流れるようになっていればトイレつまりは解消されています。
お湯でつまりを流すコツ
トイレつまりをお湯で直す際のコツは3つあります。
なるべく早くトイレつまりを解消するため、コツを意識して作業に取り組んでみましょう。
バケツに半分程度のお湯を準備する
お湯の量は、バケツに半分程度を準備しましょう。
この程度のお湯を用意できれば、トイレつまりを解消しやすくなります。やたらめったらたくさんのお湯を使えばいいというわけでもありません。
また、お湯の準備は流す直前にしておきましょう。早くからお湯を準備していても、冬場は特にすぐ温度が下がってしまいます。
腰の高さからお湯を流す
お湯を排水口へ向けて流すときには、腰の高さ程度を意識してみてください。
確かに、さらに高い位置からの方が勢いはつきやすくなります。しかし、勢いが強すぎてお湯が意図しない場所にとどまってしまったり、排水口以外に飛び散ったりする場合もあり逆効果となることが多いです。
解消しないなら再度お湯を流してみる
お湯を使った直し方を試してみて、トイレつまりが解消しないときは、もう一度繰り返してみましょう。
つまったものの量によっては、時間がかかる場合もあるからです。
何度か行っても解消しない場合には、トイレつまりの原因が別にあるかもしれません。
お湯以外の手近な物で直す
トイレつまりを解消したくても、すっぽんやワイヤーブラシがない家庭も多いものです。確かに、ホームセンター等で手軽に道具は買い求められますが、最寄りにお店がない方や買いに行く時間がない方もいらっしゃるでしょう。
また、お湯を使うのは危険、面倒と思うなら、より手近なもので直せる場合もあります。
そんなときに役立つのが、ビニール袋やペットボトルです。
ビニール袋を使う方法
ビニール袋でトイレつまりを直すには、2つのやり方があります。
- ビニール袋に手を入れてトイレつまりの原因を取り除く
- すっぽんの代わりにビニール袋を使う
ビニール袋に手を入れてつまりの原因を取り除く
便器につまったものが見えるときには、ビニール袋に手を入れてトイレつまりの原因を取り除きます。このとき、手が直接濡れないよう、ビニール袋の端を結んだり、輪ゴムでとめたりしておくと安心でしょう。
つまった固形物が見えるときなら、手で直接つかんで取り出します。
もし、つかみづらくもっと奥につまったものが行ってしまうようであれば、作業は止めておきましょう。固形物が奥の方にいってしまうと、業者に依頼しないと対応できないケースが多いためです。
すっぽんの代わりにビニール袋を使う
ビニール袋はすっぽんのように使うこともできます。ビニール袋に手を入れて濡れないように保護するのは、前述と同じです。
- 便器の水位を調整する
- 拳で排水口につっこむ
- 拳を押したり出したりして水圧を変化させる
- ゴボゴボという音でつまりの解消が分かる
すっぽんを使うときと同じく、便器の水位が重要なポイントです。水位の目安は、拳を入れたときに浸る程度とイメージしてみましょう。
水が多いときには汲み出し、少ないときには水を足してみてください。
ペットボトルを使う方法
どこの家庭にもあるペットボトルも、トイレつまりを解消する際に役立ちます。
まず、ペットボトルの加工をしますが、カットする際にケガをしないように軍手をしておきましょう。
- ペットボトルの底から3㎝程度の位置にカッターかハサミで切り口を入れる
- 切り口から一周して底を切り落とす
ペットボトルの加工ができたら、トイレつまりを解消する作業を始めます。
- ゴム手袋をして、ペットボトルを排水口の奥まで入れる
- ペットボトルの口は指でふさいだ状態で、押し引きをする
- トイレつまりが水圧によって解消する
ビニール袋やペットボトルを使う方法で解消できるのは、排泄物やトイレットペーパーなどがつまった場合です。おもちゃやスマホなど固形物や、大量のトイレットペーパーなどのつまりの解消はできません。
その他、道具や身近なものを使った解消方法を知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
⇒【トイレつまりを即解消!】おすすめ道具3選と使い方|ない場合は?
⇒トイレつまりをすっぽんで直す方法!効果を発揮する正しい使い方
トイレつまりが直らない時
お湯を使ってもトイレつまりが直らないときには、身近なものや道具を使う方法もあります。
ただ、手間をかけたくない、対応が自分ではできないと思うときには、業者への修理の依頼を検討してみましょう。
トイレつまりが長引くほど、症状が深刻になることも。
業者を探すには、相場料金の確認や選び方も注意が必要です。
水道局指定工事店の『マルキンクリーン』は、業界20年で年間1,500件以上の実績があります。
最短30分で対応が可能で、確かな技術でトイレつまりの確実な修理が可能です。
トイレつまりでお困りの方は、つまりが重症化する前に、なるべく早くお問い合わせください。