給湯器凍結防止ヒーターの仕組みとは?【何度から作動?効果バツグン?一晩の電気代も解説】
この記事では、給湯器の凍結防止ヒーターの仕組みを徹底解説します。
気温が−4℃より下がると給湯器や水道管の凍結する可能性が出てきます。そこまで気温が下がる予報でなくても、風の強い日や、北側・標高の高い場所などでは、局所的に凍結が発生するケースも。早めの対策が必須です。
「給湯器内蔵の凍結防止ヒーターは何度で作動?ヒーターがあれば確実に凍結しない?」
「外付けの凍結防止ヒーター(帯)はどの地域で必要?」
「凍結防止ヒーターの電気代は?安上がりな対策方法はない?」
といった疑問にもお答えしますよ。これから給湯器の凍結対策をされる方も、ぜひお役立てください!
給湯器に内蔵されている凍結防止ヒーターの仕組み
ここでは、給湯器に内蔵されている凍結防止ヒーターの仕組みについて説明します。仕組みを説明する前に、どの種類の給湯器に凍結防止ヒーターが内蔵しているのかを見てみましょう。
給湯器の種類 | 内蔵されている 凍結防止ヒーター |
ガス給湯器 (プロパン・都市ガス) |
⚪︎ |
エコキュート | △ 添付されているが、設置されていない 寒くなったら自分で巻きつける必要がある |
エコジョーズ | 準寒冷地設計では機器内と接続口にヒーター設置 |
電気給湯器 | × |
それでは、給湯器に内蔵されている凍結防止ヒーターの仕組みを説明します。
サーモスタットで気温が下がると稼働する
給湯器周辺の気温が下がるとサーモスタットの働きで、自動的に凍結防止ヒーターが稼働します。稼働し始める気温は、給湯器のメーカーによって異なりますが、概ね0〜5℃です。
自動的にサーモスタットの働きで凍結防止ヒーターが作動するため、気温が下がったかどうかを確認する必要はありません。
給湯器内の配管の凍結を防止する
凍結防止ヒーターが稼働すると、給湯器内部の配管を温め始めて配管の凍結を防止します。
ただし、凍結防止ヒーターが温めるのは、給湯器内部の配管だけです。以下の給湯器に接続されている配管は、温めません。
- 給水配管(水道管)
- 給湯配管
- 追い焚き配管
別の方法で凍結を防止しないと、給湯器内部は凍結しなくても配管が凍結する可能性があります。
電源が入っていないと機能しない
サーモスタットとヒーターは、電気で稼働します。給湯器のコンセントを抜いていると、機能しないので凍結してしまいます。
うっかりコンセントを抜いたままにしていたために、凍結してしまったという事例も少なくありません。特に外出時や寝るときに、コンセントを抜いて待機電力を節約している人は注意が必要です。
電気代は、1ヶ月ずっと稼働していたとしても、1,000円〜2,000円程度です。凍結して給湯器が故障することを考えると、高いとはいえないでしょう。配管が凍結によって破裂すると、数万円の修理代が必要です。
給湯器に後付けする凍結防止ヒーターの仕組み
給湯器に接続されている配管に凍結防止ヒーター(凍結防止帯)を巻き付けて、配管の凍結を防止できます。
以下のように、後付けタイプの凍結防止ヒーターの仕組みは、給湯器内蔵の凍結防止ヒーターとほぼ同じです。
- サーモスタット内蔵で気温が下がると温まる
- コンセントに繋いで電気によって作動する
- 巻き付けた箇所を温める
凍結防止ヒーターの消費電力は、1mあたり13kwがスタンダードなので、地域にもよりますが1ヶ月分の電気代は1,500円〜2000円です。
巻き付け方に気をつけて、余計な長さの凍結防止ヒーターを使わないようにして、電気代を最低限にするようにしましょう。
エコキュートには外付けの凍結防止ヒーターを設置する
エコキュートには、凍結防止ヒーターが同梱されている機種もあります。しかし、内蔵されているわけではありません。
同梱している凍結防止ヒーターは、すぐに取り出せるように保管しておきましょう。最低温度が5近くになったら、設置しておくと安心です。風が当たる箇所に設置されていると、3℃にならなくても凍結の可能性があります。
同梱されている機種ではない場合は、別途購入して設置すると、凍結を防止できます。結束バンドやテープで固定して、強風で外れてしまうのを防ぐなどの工夫が必要です。
凍結防止ヒーター以外の給湯器の凍結予防法
ガス給湯器には、凍結防止ヒーターが内蔵されている機種が多い傾向です。その他の給湯器に搭載されている凍結防止のシステムなどを一覧表にしたので、参考にしてください。
給湯器の種類 | 内蔵されている凍結防止システム | その他の対策 |
---|---|---|
ガス給湯器 (プロパン・都市ガス) |
自動ポンプ運転 凍結防止ヒーター |
通水 水抜き 保温材 風除け設置 凍結防止ヒーター(ついていない場合) |
エコキュート | 凍結防止ヒーター(添付されてない機種も) 凍結予防運転 |
|
エコジョーズ | 自動運転による凍結防止 | |
電気給湯器 | 自動運転による凍結防止(フルオートのみ) |
基本的には、寒冷地用の給湯器なら搭載されている凍結防止システムで、凍結を予防できるはずです(予防運転と防止ヒーター)。
しかし、以下のようなケースでは別の方法での凍結防止が必要です。
- 搭載しているシステムではカバーできない箇所の凍結防止
- 気温がマイナス15℃以下になる
- 夜、風が強い日。もしくは、風が当たる場所に設置されている
状況に合わせて以下の方法を取り入れましょう。
- 通水する
- 給水管に保温材(保温チューブ)を巻き付ける
- 風除けを設置する
- 電源不要で機能する水抜き
それぞれについて説明します。
通水する
少量の水を流したままにすると、凍結を防止できます。水の量は、幅4mm程度で十分です。
動きのない水は、流れる水より凍結しやすいので、できるだけ動くように水を出しっぱなしにします。給湯器が凍らないように、お湯の出る蛇口を開いておきましょう。
キッチン、洗面所、浴室のお湯が出る蛇口を開けます。1箇所のみ開けるときは、給湯器から一番離れた水栓を開けるようにしましょう。
通水して凍結を防ぐ方法は、用意するものがないので、温暖な地域でもすぐに取り入れられます。夜中に4℃以下になりそうな日に、水を流しっぱなしにしておくと安心です。
気になる水道代ですが、1分間に1分間に100mlとして計算してみます。地域や契約によって水道代は異なりますが、24時間流したとしても概ね40円しかかかりません。
給水管に保温材(保温チューブ)を巻き付ける
給水管、給湯管に保温材(保温チューブ)を巻き付けて、保温します。被覆付とついてないタイプがあります。付けやすさを考えると被覆付がおすすめです。被覆付なら剝離紙を剥がして、配管にしっかり貼り付けるだけで安定します。
ただし、きれいに付けたいと思う方には、ついてないタイプがおすすめです。付いていないタイプを非粘着テープで固定したほうが、綺麗な仕上がりが可能です。
また、給湯管に巻きつける場合は、耐熱温度にも気をつけましょう。耐熱温度が低いと、すぐに変形してずり落ちてしまいます。耐熱温度が120℃のものなら、凍結防止ヒーターと併用も可能です。
保温チューブをつける利点は、保温以外にも以下のように豊富です。
- 配管を守る
- お湯の熱が逃げないので、ガス代の節約になる
- 戸建てで外に設置されている配管をイタズラされにくい
ただし、チューブが劣化すると、効果が半減してしまいます。古くなったら、こまめに交換するようにしましょう。
風除けをつける
風があたる場所に給湯器が設置されていると、気温がそんなに下がらなくても凍結の可能性が出てきます。給湯器の下から出ている配管部分に風除けをつけると、安心です。
風除けは、「脚部化粧カバー」として別途販売しています。脚部化粧カバーをつける利点は、凍結防止だけではありません。
- 紫外線から守る
- 雨から守る
以上のように、配管を劣化から守るので、トラブルが起きにくくなる点も見逃せません。脚部化粧カバーの値段は、15,000円前後です。配管が見えなくなるので、見た目もすっきりします。
電源不要で機能する水抜き
長期間にわたって留守にする場合は、水抜きがおすすめです。長期間の留守の場合は、電源を切る場合も多いでしょう。電源を切っても凍結効果がある水抜きなら、凍結の心配がありません。水が全くない場所では、凍結しないためです。
ガス給湯器の水抜きは、概ね以下の流れです。
- 電源プラグはそのままで、リモコンを使って、運転スイッチを切る
- ガスと水道の元栓を閉める
- 給湯器に接続されている水栓を全開にする
- 水抜き線を開いて水を抜く
- 電源プラグを抜く
メーカーや機種によるので、取扱説明書を確認してください。
以下の記事を参考にして、給湯器の水抜けだけではなく、住宅全体の蛇口の水抜きを済ませて外出してください。
エコキュートは水抜きするときの気温に注意
エコキュートは、紵湯タンクを清潔に保つためにも、水抜きを推奨しています。しかし、気温が0度以下の状態で水抜きを行うと、排水栓の凍結のリスクがあるので注意が必要です。
秋の終わりから冬にかけて長期にわたって出かけるような場合は、出かける前に水抜きすると凍結を回避できます。しかし、気温が下がったからの水抜きは、おすすめできません。
水抜きは、以下の条件の際に行いましょう。
- 気温が5℃程度
- しばらく留守にする
急に寒くなったような場合は、他の凍結防止の方法を試してください。
以下の記事では、さまざまな給湯器の凍結予防の対策を詳しく説明しています。凍結が心配な方は、記事の方法を試してみましょう。
凍結防止ヒーターが機能していても凍結した場合の対処法
凍結防止ヒーターを使っていても、凍結してしまうことがあります。凍結防止ヒーターが内蔵していても、給湯器に接続している配管等の凍結防止が十分ではないと凍結してしまいます。
凍結してしまったら、自然解凍がおすすめです。給湯器のリモコンで運転をOFFにした状態で自然解凍されるのを待ちましょう。
しかし、すぐにお湯を使いたいときもあるでしょう。待っていても温度が上がらない時期は、解凍したい配管にタオルを巻いて40℃程度のぬるま湯をかけて解凍します。
ただし、以下の2点は絶対にしないでください。
- 凍結した配管に熱湯をかけて解凍する
- 配管を濡らしたまま放置する
熱湯を使うと機器や配管が破裂する可能性があります。また、ぬるま湯をかけて解凍した場合に、濡れたままにすると、再度、凍結してしまうかもしれません。乾いた布でしっかり拭き取って、水分を配管の表面に残さないことが重要です。
応急処置の方法などを以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
給湯器凍結防止ヒーターの仕組みを知って寒波の対策を
給湯器の凍結防止ヒーターについて解説しました。
凍結防止ヒーターが内蔵されていても、安心できません。内蔵されている凍結防止ヒーターは、あくまで内部の配管の凍結を予防する設備です。もし、凍結防止ヒーターを使っていても凍結してしまった際は、慌てずにプロの水道修理業者に相談しましょう。
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年中無休で稼働しているので、お困りの際はすぐにお伺いします。凍結トラブルの実績も豊富なので、安心いただけます。ぜひご利用ください!
- 凍結防止ヒーターを使うには、いつも電源を入れておかなくてはいけませんか?
-
電源を入れていないと作動しないので、忘れずに入れておいてください。
- エコキュートにも凍結防止ヒーターはついていますか?
-
機種によってついています。ついていないエコキュートには、ご自分で購入して設置すると安心です。
- 給湯器内蔵の凍結防止ヒーターが稼働していれば、絶対凍結しませんか?
-
給湯器本体の凍結は、回避できます。しかし、給湯器に接続している配管は凍結防止のために保温剤をつけるなどの対策が必要です。
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