凍結防止に効果的!的確な水抜きのやり方や水抜き栓がない場合の対処法も解説
本記事では、凍結防止に効果的な水抜きのやり方や、水抜き栓がない場合の対策などを解説します。
簡単な手順で凍結防止に大きく役立つ水抜き。寒冷地では各住戸、水抜き栓(不凍栓)が設置されているのが一般的です。
とはいえ、引越して間もなかったり、温暖地域に住んでいた方だと、水抜き栓の場所や水抜きのタイミングを把握して、作業に慣れていく必要があるでしょう。
この記事では、水抜きの手順や水抜きすべき気温などまで丁寧に紹介します。冬場の凍結対策の疑問解消に、ぜひお役立てください。
凍結防止に効果的!水抜きの手順【キッチンから屋外の水栓まで】
ここでは、各設備の水抜き手順を以下にまとめます。
- キッチン
- お風呂
- 洗面所
- トイレ
- 洗濯機
- 給湯器
- 屋外の立水栓
順番に見ていきましょう。
キッチン
キッチン回りの水抜き手順は、以下のとおりです。
- 水抜き栓(不凍栓)の位置を確認する
- 抜き栓を閉める
- 蛇口をひねって水と湯を完全に出し切る
- 水抜きネジをモンキーレンチなどで開き、完全に水を出し切る(蛇口付近にあり)
- 水が抜けきったら蛇口を閉める
水抜き栓の位置は各家庭で異なり、キッチンや浴室、リビングなどにあります。電動の水抜き栓の場合は、「水抜きスイッチ」を押すだけで水抜きが可能です。
水抜きする際は、以下のポイントに留意しましょう。
- キッチンのシンク下に水抜き用の蛇口がある場合、蛇口の下にバケツを置いて水を完全に出し切る。
- 混合栓の場合、吐水側とシャワー側両方の水を出し切る
- シングルレバーの場合、レバーを左右に動かし水を出し切る
浴室
浴室は、蛇口とシャワーの水抜きが必要です。
- 吐水とシャワーの水と湯を出し切る
- シャワーヘッドを外してシャワーホース内の水を抜く
- 水抜きネジをドライバーやペンチで外し水を完全出し切る
- 空気入れ蛇口がついていれば、空気入れ蛇口を開いて水を抜く
- シャワーヘッドをよく振って水を切る
シャワーの水抜きは、まず付け根の水抜きネジを外し、ホースとシャワーヘッドから水を完全に抜きます。吐水とシャワーは交互に切り替え、両方の水を出し切ったら作業は完了です。
温度調節蛇口は商品によって水抜き方法が異なるため、説明書を確認して正確な手順を実施しましょう。
トイレ
トイレは、タンク内と温水洗浄便座の水抜きをします。
手順は、以下のとおりです。
- 止水栓を閉める
- タンクの水を抜空っぽにする(レバーを数回まわす)
- 水抜き栓を時計回りにまわす
止水栓の位置はトイレごとに異なりますが、一般的には給水管の接続口の近くにあります。
タンクレストイレは、便器のパネル内に収納されている場合も。見つからない時は、説明書を参照しましょう。
次に、温水洗浄便座の水抜き手順を下記に紹介します。
- コンセントを抜く
- 温水洗浄便座本体を外す
- 水抜き栓をドライバーなどで緩め取り出す(バケツで水を受ける)
- 水抜きレバーを引いて、水を抜く
- 水抜きレバーを元に戻す
- 温水洗浄便座を取り付ける
温水洗浄便座の水抜き栓は、トイレタンク下や、給水管と本体を接続している部分に設置されてあるケースがほとんどです。
メーカーや年式によっても栓の位置が異なるため、わからない場合はトイレの止水栓同様、取扱説明書を参照しましょう。
トイレの水抜き後にも、封水(悪臭を防ぐ役割)は残ります。極寒の日に家を数日空ける場合は、便器に「不凍液」を入れて凍結を防ぎましょう。
不凍液は温水洗浄便座の水抜き完了後に使用します。
凍結しやすい気温・条件や予防策について、より詳しく知りたい方は、下記記事も参考にしてください。
洗濯機
洗濯機の水抜きをする場合、蛇口から水が流れ落ちるため、バケツやタオルを準備しておくと床が汚れません。
洗濯機の水抜き手順は、以下のとおりです。
- 蛇口を閉める
- 洗濯機を1~2分運転する
- ドライバーなどを使用し蛇口から給水ホースを外す(取扱説明書を要確認)
- 給水ホースの水が抜ける
- 脱水のみで洗濯機を1~2分ほど運転
- 洗濯機内の水を抜く
- 洗濯槽内に残った水気をタオルで拭き取る
- 排水ホースの接続部分をドライバーなどで外す
- 洗濯機を軽く傾け排水ホースの水を抜く
- 蛇口のホース接続の金具部分、またはストッパー部分を軽く指で押して水抜きする
- 水抜き完了
水抜き作業を実施する際、電源プラグやアースが水に濡れると、漏電や洗濯機の故障につながる可能性があるので注意が必要です。コンセント周辺にある部品を、タオルで拭きながら作業すると漏電の危険を回避できます。
ガス給湯器
屋外に設置されているガス給湯器も、寒波が到来すると温暖地域でも凍結リスクが高まります。
水抜き手順は、以下のとおりです。
- 運転スイッチを切る(※電源プラグは抜かない)
- ガスの元栓と水道の元栓を閉める
- 家の中野蛇口をすべて全開にしておく(キッチン、浴室、洗面所など)
- 水抜き栓を開け水を抜く
- 電源プラグを抜く
上記は、一般的なガス給湯器の水抜き手順です。メーカーにより水抜き栓の位置や形状、水抜き栓の数などが異なるため、説明書などで確認しましょう。
なお、灯油給湯器(石油給湯器)の水抜きも、上記と同じような流れです。
エコキュート
エコキュートは、本体にメーカーや型式によって凍結防止機能が付いている場合も多いです。
冷え込みが予想される場合、この機能を設定することで凍結を防げます。
ただし、メーカーや型式によって凍結防止機能が付いていない場合もあるため、販売店に確認するのも一つです。
ガス・電気・灯油給湯器の凍結防止対策を、より詳しく知りたい方は下記記事も参考にしてください。
屋外の立水栓
屋外の立水栓の水抜き栓は、主に「ハンドルタイプ」と「プッシュタイプ」の2種類です。後者は押すだけで水抜きできますが、前者は、以下の手順で水抜きします。
- 水抜きハンドルを右回しで最後まで回す
- 蛇口を全開にする
- 水が抜けきったら、蛇口を閉める
蛇口にホースが付いている場合、水抜き前に外しておくと作業がスムーズです。
ホースが付いたままだと、空気が抜けきれず凍結につながる可能性があるため、必ず外してください。
凍結防止の水抜き完了のチェック方法
水抜きしたのに「凍結してしまった」という声もよく聞きます。給水管や排水管内の水が抜け切れていないことが原因です。
そこで、凍結防止の水抜き完了のチェック方法を以下の表にまとめましたので、参考にしてください。
チェック項目 | |
---|---|
水抜きの手順を再確認 | 水抜きの手順に漏れがないか確認すると、基本的なミスを防げる。 |
水が流れないことを確認 | 外部の蛇口や内部の蛇口を開け、水が流れたら水抜きが完了していない可能性がある。 |
水抜き後の水道管の音を聞く | 水道管に耳を傾けたとき、音がする場合は水がまだ残っている可能性あり。 |
上記の項目に留意し、水抜きが適切に行われたか確認します。
水抜きがきちんと完了しているか疑念が残る場合は、水道修理業者に相談しましょう。
凍結防止で必要な「水抜き栓」の位置や形状【住戸タイプ別】
凍結防止の水抜きをする際、まずは水抜き栓の位置を確認します。水抜き栓は、各ご家庭で設置位置や形状がさまざまだからです。
ここでは、水抜き栓の位置や形状を住戸タイプ別に紹介します。
戸建て
戸建ての場合、水抜き栓はキッチンや洗面所など水回りに設置されるのが一般的です。まれに、リビングやトイレ空間に設置されている場合もあります。
水抜き栓は、家庭ごと種類や形状が異なり「手動でレバーを回す」「電動式で水抜きスイッチを押すだけ」「まわすのにマイナスドライバーが必要」などがあります。
水抜き栓が見つからない場合は、建物の図面を見るか、建築会社へ確認しましょう。
マンション
マンションの水抜き栓は、共有スペースのガスメーターや電気メーターなどと一緒に設置されているケースが多いです。
ただし、水抜きする際は管理会社の許可が必要な場合もあるため、確認が必要です。
アパート
アパートの場合は戸建てと同様、住戸ごと水抜き栓の位置や形状が違います。
例えば寒冷地のアパートは、キッチンやお風呂、共有の洗濯機スペースのほか、バルコニーに設置されているケースも多いです。
形状もさまざまで、電動式の水抜き栓が設置されている場合は、スイッチ一つで水抜きが完了します。
凍結防止の水抜きを解除する方法
長期間の外出から自宅に戻ったときなど、水抜きを解除し通水する必要があります。
ここでは、「蛇口」「トイレ」「給湯器」の、水抜き解除方法を紹介します。
蛇口の水抜き解除
蛇口の水抜き解除方法は「水抜き方法と反対の手順」となり、以下の3ステップが基本です。
- 水抜き栓を給水(通水)方向に回す
- 排水バルブがある場合は閉める
- 家の中の蛇口を一つひとつ開ける
突然蛇口をひねると水が飛び散って床や壁を汚す可能性があるため、徐々に通水しましょう。
トイレの水抜き解除
トイレの水抜き解除方法は、以下の2ステップです。
- マイナスドライバーなどで止水栓を開ける
- 温水洗浄便座に水を供給する
水抜き解除する際は、室温が0度以上になってから行います。0度以下で通水すると、凍結する可能性があるからです。
温水洗浄便座の水抜き解除方法は、以下になります。
- 閉めていた止水栓を開ける(止水栓の溝にマイナスドライバーを差し、左(反時計回り)に回す)
- 温水洗浄便座に水を供給する
温水洗浄便座の場合は、一度電源プラグをコンセントから抜き、10秒待ちます。温水洗浄便座内の電子制御部分やセンサーのリセットを行うためです。
ガス給湯器の水抜き解除
ガス給湯器の水抜き解除方法は、以下のとおりです。
- 給水元栓を開ける
- 蛇口を一か所開けて水が出ることを確認する
- 給湯器の電源コードをコンセントに入れる
- 給湯器のガス栓を開放する
- 給湯器の電源をONにする
- 蛇口を開けてお湯が出ることを確認する
上記は、ガス給湯器の一般的な水抜き解除方法ですので、詳細は説明書を参照し手順をチェックしましょう。
凍結防止の水抜きが必要になる条件
凍結防止の水抜きが必要になる条件は、以下のとおりです。
- 最低気温が4度を下回る極寒の日
- 最高気温が氷点下の日
- 引越しや旅行などで、長期間留守にする時
- 寒波が予測され気温の変化が激しい時
- 冷え込む日に、帰りが遅くなりそうな時
このような日は、水抜きと同時に凍結予防策を行うとより安心です。
凍結しやすい条件をさらに詳しく知りたい方は、下記記事も参考にしてください。
水抜き栓がない場合の凍結防止策
水抜き栓の設置が一般的でない、寒冷地以外の地域では凍結防止策に悩む人が少なくありません。
ここでは、水抜き以外の凍結予防策を3つ紹介します。
- 蛇口からちょろちょろ水を出しておく
- 給湯器の凍結防止機能を作動させる
- 配管に保温材を巻く
一つひとつ、見ていきましょう。
蛇口からちょろちょろ水を出しておく
寒波が到来する日には、室内の蛇口を少しだけ開け、一晩中水をちょろちょろと流すことで凍結を防ぐことができます。
屋外や日陰の水栓も注意が必要で、最低気温が4度を下回る日はとくに対策が重要です。
給湯器の凍結防止機能を作動させる
給湯器本体に、「凍結予防ヒーター」と「自動ポンプ運転」の機能が搭載されていれば、これらを作動させることで凍結を防げます。
機能を正常に作動させるためには、分電盤の電源をONにし、かつ電源プラグが差し込まれているか確認しましょう。
2つの機能が作動していれば、よほどの寒波が到来しない限り、給湯器内部の凍結は防げます。
配管に保温材を巻く
凍結リスクを軽減させるため、配管に保温材を巻くのも有効です。ホームセンターやインターネットなどで手軽に入手でき、数百円で購入できるメリットがあります。
保温材を買うのが面倒な場合はタオルや布などで代用し、それをテープや紐でしっかりと固定する方法も有効です。使ってない蛇口にはビニールを巻くと効果的です。
水抜きしたのに万が一水道凍結してしまったら
今回は、凍結防止に効果的な水抜きのやり方や、水抜き栓がない場合の対策などを詳しく解説しました。
寒冷地では一般的な水抜きですが、比較的温暖な地域に住んでいた方だと手順に悩む場合も多いでしょう。
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- どんな時に水道は凍結しますか?
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気温がマイナス4度を下回る極寒の日や、長期間家を空けたときなどに凍結しやすくなります。屋外、北側で日が当たらない場所、風当たりの強いところ、むき出しになっている水道管などはとくに注意が必要です。
- 凍結しやすいのはどんなところですか?
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冷気が侵入しやすい北側の洗面所やトイレ、屋外の散水栓、湯沸かし器の元栓などが凍結・破裂のリスクが高いです。
- 水抜き以外の凍結防止対策はありますか?
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寒波が到来する前日に、室内の蛇口を少しだけ開け一晩中少量の水を流しておくのが効果的です。給湯器の凍結防止機能を作動させたり、配管に保温材やタオルを巻いて温めたりする方法も有効です。
- 水抜き栓の位置がどうしても見つかりません。どうしたらよいですか?
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