浄化槽を点検しないとどうなる?リスク・トラブルまとめ【管理者の義務罰則あり】
この記事では、浄化槽を点検せずに放置するとどうなるかについて徹底解説していきます。
「臭くなったりしていないなら、大丈夫では?」
「浄化槽の設備自体が故障してしまうことはある?」
「何か罰則規定がある?」
といった疑問をお持ちの方も必見です。
浄化槽管理者の義務から、点検せずにいると起こりうる機器トラブルやリスク、対応業者の探し方まで広く詳しくご紹介。本記事を参考にして、適切な維持管理にお役立てください。
浄化槽の点検をしないとどうなる?管理者の義務と罰則
浄化槽の点検を怠ると、法律により罰則が科される場合があります。浄化槽法では、設置者が定期的に保守点検・清掃・法定検査を実施することが義務付けられています。
点検を実施しない場合、最大で100万円以下の罰金が科される可能性があります。また、生活環境の悪化や近隣への悪臭・汚水流出の原因となります。定期点検は社会的責任です。
保守点検
保守点検は、浄化槽の正常な運転を保つために不可欠です。
点検では、ポンプや機器の作動確認、消毒剤の補充、汚泥の蓄積状況のチェックなどを行います。これを怠ると、機器の故障や異常が見逃される恐れがあり、最悪の場合は処理機能が停止します。
法律上、指定業者による定期的な実施が義務付けられています。
清掃
清掃は、浄化槽内にたまった汚泥やスカムを除去する作業です。
これを定期的に行わないと、浄化機能が低下し、悪臭や水質汚濁の原因になります。
多くの自治体では年1回以上の清掃が義務とされており、専門業者に依頼する必要があります。清掃を怠ると、法律違反として指導や罰則を受けることがあります。
法定検査
法定検査は、浄化槽の機能や維持管理状況を第三者が確認する検査です。使用開始から3ヶ月後から5ヶ月以内に法定検査を受けることが義務付けられており、その後も毎年1回の検査が必要です。
検査を受けない場合、行政から指導や命令、場合によっては過料が科されることもあります。
浄化槽を点検しないと発生する機器トラブル4選
浄化槽は定期点検を怠ると、さまざまな機器トラブルが発生しやすくなります。点検を実施しないことで、汚水処理の能力が低下し、住宅周辺の環境や生活の質にも影響を及ぼします。
- ブロワーが機能しなくなる
- 排水不良が生じる
- 放流ポンプが停止する
- 故障や消耗品の不足に気づかない
以下では、浄化槽の点検を怠った場合に特に起こりやすい代表的な4つの機器トラブルについて、具体的な内容を説明します。
ブロワーが機能しなくなる
ブロワーは、浄化槽内の微生物に酸素を供給するための重要な機器です。点検を行わないと、ブロワーのフィルターが詰まったり、ベルトの劣化やモーターの故障が発生しやすくなります。
最終的に悪臭や水質悪化につながり、近隣への迷惑や環境汚染の原因となります。
排水不良が生じる
排水不良は、浄化槽内に汚泥やスカム(汚濁物質や油脂などの層)が過剰にたまった場合に起こりやすいトラブルです。点検や清掃をしないまま使用を続けると、汚泥が流出口をふさいで排水がスムーズに行われなくなります。
結果として、トイレやキッチンの排水が逆流したり、水が流れにくくなったりすることがあります。排水不良を放置すると、住宅内での衛生環境が悪化し、配管詰まりや漏水といった二次的な被害も広がります。
放流ポンプが停止する
放流ポンプは、浄化槽で処理した水を外部に排出する役割を担っています。点検を怠ると、異物の詰まりやポンプ部品の劣化に気づけず、突然停止することがあります。
ポンプが止まると、浄化槽内の水位が異常に上がり、最悪の場合は槽からのあふれや逆流が発生します。こうしたトラブルは、早期発見と対応によって防ぐことが可能です。
放流ポンプの作動状況や消耗部品の摩耗状態は、定期点検で確実に確認しましょう。
故障や消耗品の不足に気づかない
浄化槽の維持管理では、定期的な部品交換や消耗品の補充が欠かせません。
点検をしないまま使い続けると、消毒剤の切れやフィルターの目詰まり、電気系統の異常などに気づかず、重大な機器トラブルが発生しやすくなります。
特に消耗品の補充忘れは、浄化槽の機能低下を招くだけでなく、衛生上のリスクを高めます。定期点検を徹底することで、こうした小さな異常や不足にも早期に対応できます。
浄化槽を点検しないと起こりうるリスク4選
浄化槽の定期点検を怠ると、生活環境や社会的信用にまで影響するさまざまなリスクが現れます。主なリスクとして、以下があります。
- 悪臭や害虫の発生
- 環境汚染
- 行政からの指導や罰則
- 地域や顧客からの信頼低下
以下では、点検を怠った際に具体的にどのようなリスクが発生するかを詳しく解説します。
悪臭・害虫の発生
浄化槽の点検や清掃を行わないと、槽内に汚泥や有機物がたまり、悪臭が発生します。この悪臭は家屋内だけでなく、周辺まで広がることが多く、生活環境を著しく損ないます。
また、放置された汚泥はコバエやハエなどの害虫発生源にもなりやすく、衛生面で大きな問題を引き起こします。特に夏場は臭いと害虫が急増しやすく、近隣トラブルの原因になる場合もあります。
環境汚染
浄化槽の機能が低下すると、適切に処理されない汚水がそのまま排出され、水路や地下水の汚染につながります。これにより、川や池の水質悪化、生態系への影響、さらには飲料水の安全性への懸念も生じます。
特に農村部や自然の多い地域では、未処理の汚水が流れ出ることで広範囲にわたる環境汚染を引き起こす危険があります。浄化槽の点検とメンテナンスを徹底することで、地域の自然環境と安全な生活用水を守ることができます。
行政指導や罰則の対象にも
浄化槽法に基づき、点検や清掃を怠った場合は行政指導や命令、さらには罰則が科されることがあります。
たとえば、法定検査の未実施や長期間の点検漏れには、都道府県や市町村から改善命令や最大100万円以下の罰金が科された事例も存在します。
また、悪臭や汚水流出で近隣住民から通報された場合、指導や立入調査を受けることになります。法令を遵守し、適切に管理することはトラブル回避だけでなく、社会的責任の観点からも重要です。
周辺地域の信頼の損失も
浄化槽のトラブルが原因で周辺住民や取引先からの信頼を失うリスクも見過ごせません。事業所や店舗では、悪臭や汚水の流出が直接クレームや風評被害に発展するケースも多いです。
さらに、環境への配慮やコンプライアンスを重視する社会的な流れの中で、管理不十分な施設は選ばれなくなります。とくに事業者は、定期点検を怠ることで顧客や地域からの信用を大きく損なう可能性があるため、日常的なメンテナンスが必要です。
事業上欠かせない給水設備の点検や、排水設備の高圧洗浄など、水道まわりのメンテナンスはプロの水道業者に相談しましょう。なかでも、飲食店などでトラブルの多い厨房のグリストラップの定期清掃はプロにお任せするのがおすすめです。
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水まわりのメンテナンスは水道業者へ
浄化槽を点検しないのはNG!対応業者に依頼を
浄化槽の点検を自己判断で後回しにするのは厳禁です。必ず専門の対応業者や検査機関に依頼してください。
点検や清掃は浄化槽法で義務付けられており、登録業者や許可業者が行う必要があります。家庭用浄化槽から大型の施設用まで、対応できる業者は地域や規模によって異なります。以下に主な対応業者・機関の例を挙げます。
- 保守点検:浄化槽保守点検業者
- 清掃:浄化槽清掃業者
- 法定検査:都道府県知事指定検査機関
以下では、業者の探し方について解説します。
登録業者または許可業者を探す
浄化槽の点検や清掃を依頼する際は、必ず「登録業者」や「許可業者」であることを確認してください。
こうした業者は、浄化槽の構造や運転状況、機器の種類に精通しており、適切な点検や整備を行います。特に大型浄化槽や特殊な設備の場合、すべての業者が対応できるわけではないため、依頼前に必ず業者に対応可能な浄化槽の規模や種類を伝えましょう。
自治体の公式ホームページや都道府県の認可業者一覧で、営業許可番号や資格の有無を確認することも重要です。
2〜3社から見積もりを出してもらう
浄化槽の点検や清掃を依頼する場合、必ず2〜3社から見積もりを取りましょう。同じ作業内容でも業者ごとに費用やサービス内容に差が出る場合があります。
見積もりを比較することで、不要な費用や過剰な作業提案を避けられるほか、適正価格の把握にも役立ちます。各社の実績や対応範囲、緊急時のサポート体制なども併せて確認し、自社や家庭の状況に合った業者を選ぶことが大切です。
契約前は詳細な費用や内容の確認を
業者との契約前には、作業内容や費用の明細、保証範囲、追加料金の有無などを必ず細かく確認しましょう。特に初回契約時や長期契約の場合、後から思わぬ追加費用が発生することを防ぐため、見積書の内容や契約条件は丁寧にチェックすることが大切です。
不明点があれば遠慮せず質問し、納得してから契約してください。また、アフターサービスや緊急対応の可否も確認しておくと安心です。
浄化槽を点検しないメリットはない!【専門業者に相談を】
浄化槽を維持管理するには、各種点検は必要不可決です。機器の故障や環境汚染を起こさないためにも、適切に保守点検や清掃などを実施しましょう。
適切に点検すれば機器も長期的に維持でき、トラブルも早めに対処できるので、結果的に維持費用を抑えられます。
浄化槽の点検内容や費用の詳細を確認する際は、必ず自治体の登録業者および許可を受けたプロの業者に相談しましょう。地域の信頼できる業者なら、費用や点検内容について、丁寧な説明が受けられます。
- 浄化槽の点検の種類について教えてください。
-
「保守点検・清掃・法定検査」の3つの種類があります。
- 浄化槽の点検をしないとどのようなリスクがありますか?
-
「悪臭や害虫の発生・環境汚染・行政からの指導や罰則・地域や顧客からの信頼低下」などのリスクがあります。
- 浄化槽点検の業者の探し方について教えてください。
-
「登録業者または許可業者を探す・2〜3社から見積もりを出してもらう・契約前は詳細な費用や内容の確認」などを行ってください。
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