戸建て住宅の排水管の構造は?汚水の流れや水まわりごとのトラブルも解説【つまり・ニオイetc.】

この記事では、戸建て住宅の排水管が地下でどのようにつながって機能しているのか、その構造を徹底解説していきます。

「1箇所つまったら水回り全体に影響が出てしまうもの?」
「逆流してくるのは、他の排水口が原因?」
「複数の排水口から臭うときはどうしたらいい?」

といったトラブルでお困りの方も必見です。地下排水管の接続がどうなっているのかや、排水管形状の種類などを、丁寧に解説していきます。

記事後半では、トイレ、洗面所、キッチン、お風呂など、水回りごとの排水管の特徴やそれぞれの適切な扱いについてもご紹介。排水管まわりのメンテナンスのためにも、ぜひ最後までご覧ください。

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戸建て住宅の排水管構造【一般的な地下の接続と汚水の流れ】

戸建ての排水は、各水回りの以下の設備の順で流れていきます。

  1. 排水口・排水トラップ
  2. 横引管
  3. 排水枡(汚水枡)

横引管(よこびきかん)は、横に流れる排水管です。それぞれの水まわり箇所の排水が排水管から排水枡に流れ、公共枡を経て下水(公共の排水管)にたどり着きます。

以下、それぞれの設備について説明します。

1.排水口・排水トラップ

使った水は、各水回りの排水口に入ります。排水口のすぐ下に排水トラップという水をためられるようにした箇所を通って、排水管に続きます。

排水トラップにたまった水が「封水(ふうすい)」です。封水は、下水や排水管を通して悪臭や害虫が住宅内に入り込まない役割を果たしてくれています。

2.横引管

住宅内の各水回り設備からの排水を排水本管に繋ぐ排水管が、「横引管」です。戸建ての場合は、マンションと比較して、横引管が長いのが特徴です。

床下など見えない箇所に、設置されていることがほとんどです。

2階にも水回り箇所(トイレや洗面所など)があれば、立て管が1階まで壁下に設置されます。立て管なら水の流れがスムーズですが、横引管は適度な勾配が必要です。

ある程度のスペースがないと、十分な勾配を確保できません。勾配が少ないとつまりが生じやすくなってしまいます。

3.汚水枡

汚水枡は、排水を一旦ためて、固形物などを除去する枡です。基本的には、水回りごとに1個設置されています。

しかし、枡を置くスペースの関係などで少なめに設置している住宅もあります。その場合は、つまりが生じやすいので、注意が必要です。

汚水枡から公共枡を経て、下水管に流れます。

汚水枡については、以下の記事でわかりやすく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

戸建ての排水管の構造種類

排水トラップには、トラップの形で次のような種類があります。それぞれの利用されている水回り箇所を紹介します。

トラップの種類 設置している箇所
ワントラップ キッチン・浴室
逆ワントラップ 洗濯機の洗濯パン・ユニットバスの床排水
ボトルトラップ 洗面所・浴室・キッチン
ドラムトラップ 浴室
Pトラップ 洗面所・トイレ・キッチン・浴室
Sトラップ キッチン・洗面所・トイレ・洗濯機・浴室

上記のほか「Uトラップ」がありますが、ゴミが溜まりやすい形態でトラブルが生じやすく、現在ではほとんど使われていません。

排水トラップは、排水管につながりますが、排水管は以下の2種類です。

  • 排水竪管:2階から1階へつながる排水管
  • 横引管:横方向に流れる排水管

排水管に使われている素材は、主に以下の通りです。

  • 塩ビ管(PVC・HIVP)やポリエチレンなど樹脂製
  • 鋳鉄管
  • ステンレス管
  • 銅管
  • PPR管
  • ジャバラ管
  • 透水管

以前は鉛管も多く利用されていましたが、水漏れが多く健康への影響も考慮されて交換作業が進んでいます。

主に使われているのは樹脂製の排水管です。塩ビ管はコストを抑えられ、柔軟性がありますが、寒さに弱いため寒冷地ではおすすめできません。熱にも弱いため、熱湯を流すと変形します。

ポリエチレンは熱にも寒さにも強く、柔軟性もあります。塩ビ管より高額ですが、おすすめの素材です。

戸建てのキッチンの排水管の構造

キッチンの排水溝からのポコポコ音で考えられる原因

キッチンの排水口から排水管の構造は、以下の通りです。

  • 菊割れゴム(排水口)
  • ゴミ受け(排水バスケット)
  • 排水トラップ
  • 排水ホース
  • 排水管

菊割れゴムで大きめのゴミは除去され、小さいゴミはゴミ受けでキャッチされます。食品カスなどゴミが多く流れるキッチンで、できるだけ余計なものが排水管に入らないデザインです。

排水ホースは、シンクしたの扉を開けると見られます。樹脂製のホースが多く、ジャバラホースが設置されているキッチンも多く見られます。

キッチンのつまりの原因

キッチンの排水管のつまりの原因は、主に以下のものです。特に油汚れは、ゴミ受けを通過して蓄積してつまり原因になります。

  • 油汚れ(食器・鍋類)
  • 食品カス
  • 食品の入った袋の切れ端や調味料のフタなどの固形物

以下の記事で、キッチンのつまりの原因について、さらに詳しく解説しています。

戸建てのトイレの排水管の構造

トイレ

戸建てのトイレの排水管の構造は、以下の通りです。

  • 便器
  • 排水トラップ
  • 排水管

便器にはせきと呼ばれる突出部があり、排水トラップの封水が貯まる構造になっています。他の水回りは封水が見えませんが、トイレは便器の底にたまっている封水が見えます

排水管の設置の仕方は、次の2種類です。

  • 床排水
  • 壁排水

便器の床に設置された箇所から排水されるのが床排水、壁に排水管がつながっているので壁排水です。

トイレのつまりの原因

トイレの排水管が詰まる原因は、以下の通りです。

  • 大量に流したトイレットペーパーや排泄物
  • 「水に溶ける」製品(トイレクリーナー、猫砂、ティッシュペーパー)の流しすぎ
  • 普通のティッシュペーパー
  • うっかり落とした紙おむつ、生理用品
  • 固形物(めがね、ライター、スマホなど)
  • 尿石

トイレットペーパーや排泄物も大量に流すと、つまりの原因になります。特に水を節約すると詰まりやすいので、たっぷり水を流しましょう。大のときは大洗浄を使ってください。

以下の記事でつまりやすいトイレの特徴やつまりの予防法を解説しているので参考にしてください。

戸建ての浴室の排水管の構造

浴室

戸建ての浴室の排水管の構造は、以下の通りです。

  • 目皿
  • 排水口:浴槽と洗い場に2つ
  • 洗い場の排水口にヘアキャッチャー
  • 排水トラップ
  • 排水管

戸建ての浴室は、浴槽と洗い場にそれぞれの排水口があり、それぞれ排水が排水管に直接流れる構造になっています。排水トラップが排水枡の横に設置されているケースもあります。

一方、ユニットバスは2つの排水口が床下で合流し、排水トラップが設置されていることがほとんどです。

ユニットバスは水漏れしにくいので、2階に浴室を置く場合に戸建てでもユニットバスを設置するケースが多い傾向です。

浴室のつまりの原因

浴室でつまりの原因になるのは、主に以下の通りです。

  • 髪の毛
  • 皮脂・垢・体の汚れ
  • 石鹸・シャンプー
  • 石鹸カス・水垢
  • 固形物(シャンプー・リンスのキャップ、カミソリの刃やキャップ、おもちゃなど)

石鹸カスは、余分に流れた石鹸と、水道水に含まれるカルシウムなどミネラル成分と反応してできた物質です。水に溶けにくいので、少しずつ蓄積していきます。

石鹸カスがあると、カビや雑菌も増えやすいので、こまめな掃除で取り除きましょう。石鹸カスはアルカリ性の白い金属石鹸と酸性の灰色の酸性石鹸の2種類があるので、それぞれに合う洗剤を使ってください。

以下の記事で、浴室の排水管つまりの原因や掃除方法について、わかりやすく解説しているので参考にしてください。

戸建ての洗面所の排水管の構造

洗面所の排水管

戸建ての洗面所の排水管の構造は、以下の通りです。

  • 排水栓
  • ヘアキャッチャー
  • 排水トラップ
  • 排水管

洗面所の排水栓の種類は、以下の3種です。

  • ゴム栓式:ゴム製の栓で排水口を塞ぐ
  • ポップアップ式:レバー操作で、排水栓を開閉する
  • ワンプッシュ式:手で押して、排水栓を開閉する

排水栓の下には、つまり防止のためにヘアキャッチャーが設置されています。ゴム栓式の排水栓には、ついていない場合もありますが、別売りのヘアキャッチャーの設置が可能です。

洗面所のつまりの原因

洗面台の排水管が詰まる原因は、主に以下の通りです。

  • 石鹸や歯磨き粉、シェービングクリーム
  • 毛髪・ひげ
  • 水垢・石鹸カス
  • 固形物(カミソリのキャップ、コンタクトレンズ、プラスチック袋の切れ端など)

髪の長い人やひげの濃い人が、洗髪やひげ剃りをするとつまりの原因が排水口に入り可能性が高まります。洗髪や髭剃りをするたびに、ヘアーキャッチャーを掃除するようにして、つまりを予防しましょう。

下記の記事で、洗面台のつまりの原因や解消法を解説しているので、参考にしてください。

戸建ての排水管を長持ちさせる日常メンテナンス

戸建ての排水管は、つまりなどのトラブルが生じると劣化が早まります。排水管の交換費用は、1mあたり2万円〜です。

戸建ての排水管交換費用は、40万円以上します。以下を心がけてできるだけ長持ちさせましょう。

  • 排水口に余計なものが入り込まないようにする
  • 定期的に液体パイプクリーナーを使う
  • 3年に1度の頻度で排水管を高圧洗浄する

それぞれについて、具体的に説明していきます。

排水口に余計なものが入り込まないようにする

以下の3つのコツを実行して、排水口に余計なものが入らないようにしましょう。

  • 排水口に使い捨てのフィルターを設置する
  • ゴミ受けを頻繁に空にする
  • 洗面台などの周辺に小物を置かない

排水口に設置する使い捨てフィルターは、ファミリーマートなどのコンビニエンスストアやダイソーなどの100円ショップで購入できます。20枚前後で100円なので、毎日交換してください。

また、ゴミ受けのゴミをそのままにしておくと、汚れが少しずつ溶けて排水管に入り込んでしまいます。

定期的に液体パイプクリーナーを使う

液体パイプクリーナーは、つまり解消だけではなく、つまり予防にも利用できます。つまり予防が目的の場合は、注ぐ量などが異なるので説明書の確認が必要です。

理想的な液体パイプクリーナーを注ぐ頻度は、以下の通りです。

パイプクリーナー
おすすめ使用頻度
キッチン 週に2回
浴室 月に2回
洗面所 週に1回

ただし、上記は毎日それぞれの水まわり箇所を使う3〜4人家族を基準にしています。料理をあまりしない方や家族に人数が少ない場合は、調整してください。

3年に1度の頻度で排水管を高圧洗浄する

マンションといった集合住宅では、管理会社が年に1度の頻度で排水管の高圧洗浄をしています。そのため、排水管のトラブルが、戸建てに比べると少ない傾向です。

戸建ての場合も、3年に1度の頻度で排水管の高圧洗浄を水道修理業者に依頼しましょう。排水管が長持ちする上、悪臭などのトラブルが起きにくく快適です。

以下の記事で、排水管の高圧洗浄の費用の目安や作業の流れなどを解説しています。依頼を検討している方は、参考にしてください。

戸建ての排水管トラブルでお困りなら構造を知って正しい対処を!

戸建ての排水管の構造について解説しました。トラブルの原因はお分かりになったでしょうか?

「原因が分かったが、対処法がわからない」

「どこに問題があるのかわからない」

「しょっちゅう詰まりなどの問題があって、困っている」

という方は、排水管の構造を熟知した水道修理業者への相談がおすすめです。排水管や給水管のトラブルは、水道局指定工事店にご依頼ください。

どの業者に依頼すれば良いのか迷っている方で、『マルキンクリーン』の以下対応エリアなら年中無休で24時間対応。都合の良いときにすぐに相談できますので、ぜひご相談ください!

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FAQ戸建ての排水管の構造に関するよくある質問
戸建ての排水管の基本的な構造は?
排水口・排水トラップ・横引管(排水管)・排水枡(汚水枡)を経て、公共枡・下水管に流れます。
戸建ての排水管がつまりやすいのは、構造が異なるからですか?
戸建ての排水管は、マンションの排水管と比較して横引管が長いことが特徴です。横引管は、横に伸びた配管なので、十分な勾配を作らないとつまりやすくなります。また、マンションは管理会社が定期的に排水管洗浄をしますが、戸建てでは個人でするため忘れがちになることも、つまりの原因です。
戸建ての排水管は高圧洗浄すべきですか?
3年に1度の頻度ですることをおすすめします。適切なメンテナンスは、排水管を長持ちさせます。

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