便座が割れた時の応急処置の方法と自分でできる交換方法
この記事では、便座が割れたときの応急処置、補修方法とその後の交換方法を徹底解説します。
トイレの便座には、「ご自身で交換できるタイプ」と「できないタイプ」があります。その見分け方から、交換を業者依頼した際の交換費用まで詳しく説明するのでぜひ参考にしてください。
また、記事後半では火災保険の利用は可能なのか、賃貸で便座が割れてしまったケースについても解説します。ぜひ、最後までご覧いただき、手順に沿って作業を進めてみてください。
便座割れたときの応急処置【2つの簡易補修】
便座を交換するまでは、とりあえず応急処置をして使うことも可能です。ここでは、簡易的な補修方法から紹介します。
割れた便座の補修方法としてまず思い浮かぶ接着剤ですが、便座は接着面が小さいので接着剤ではうまくくっつきません。接着できたとしても強度に問題があります。腰掛けた拍子にさらに割れてしまう可能性があるので、接着剤はおすすめできません。
また、便座ヒーターやウォシュレットなど電気製品を搭載している便座の場合は、使っているうちに電気の接続が悪くなっていき、思わぬトラブルにつながることもあります。危険回避のため、便座が割れてしまった際は必ず電源を抜いておきましょう。
布テープでカバーする
割れた箇所が一部分でくっついている箇所の方が多かったり、ヒビが入っている程度なら布テープをぐるぐると巻きつけてください。
ガムテープですと重なった箇所が剥がれやすいので、布製テープがおすすめです。お尻に当たったところが不快なら上から便座カバーをかけておきましょう。
ホコリなどの汚れがあると剥がれやすくなるので、布テープを貼る前に固く絞ったぞうきんでよく拭き取っておくと良いでしょう。
布テープと木でカバーする
完全にぱっくりと割れてしまった場合は、板を添えてその上から布テープを巻きつけると強度が確保できます。添木がないと体の重みですぐに外れてしまいます。
板を添えていれば数日間は保つので、その間に便座交換しましょう。ちょうどいい板が見つからない場合は、段ボールを折りたたんでちょうどいい大きさにして布テープを巻きつける手もあります。
ただし、ダンボールはすぐによれてしまうのでよれたら都度交換が必要です。
便座が割れる原因【よくある2つの要因】
便座が割れる原因は、主に以下の2つです。
- 経年劣化
- 1カ所に力を入れすぎた
それぞれ解説します。
経年劣化
便座はプラスチック製が多いので、約10年で劣化します。知らないうちに劣化でヒビが入っていて、汚れを拭き取るときや座った拍子に割れてしまうことも。
また、ウォシュレットなど機能付き便座は約7年で機械系統の劣化が始まりますが、プラスチック部分の劣化は普通便座同様に10年くらいです。便器との接続部分など、折れやすくなっているので気をつけましょう。
1カ所に力を入れすぎた
まだ新しい便座でも、以下のような状況で1カ所に力が入りすぎると割れることがあります。
- 重いものが落ちてきた
- 天井の掃除で、便座の上に立った
便座は100kg以上の人が座っても大丈夫な作りですが、1カ所だけに重量が偏ると割れてしまいます。腰掛ける以外の姿勢で上に乗らないようにしましょう。
また、高齢者が立ち上がる際によろけて便座に手をついてしまって割れることもあります。便器横に手すりを設置しておくと安心です。
便座がひび割れているときの対応【補修or業者依頼】
ひびが浅く鋭利でない・広がらない場合は一時的な補修で数日はしのげます。
しかし、貫通していたりヒンジ部分に達している、または通電機能がある便座では即交換が安全です。
下記のチェックリストを判断材料にしてください。
| 補修でOKな範囲 | ・ひびが5cm未満で端から端まで貫通していない ・座ってもぐらつきがない ・鋭利な欠けが手や肌に触れない >>補修方法について |
| すぐに業者依頼すべき状況 | ・割れが貫通している/ヒンジ周りにクラックがある ・温水洗浄便座など電気機能付き ・高齢者や小さな子どもが主に使用している >>割れた便座の交換費用について |
補修はあくまで一時的な対応であり、交換まで数日間の使用にとどめましょう。
修理・交換までの取り扱い
補修後の便座を使う際は、以下のポイントを意識するとひび割れが広がりにくくなります。
- 座面の割れ周辺に体重が集中しないよう中央に座る
- 便座カバーでひび部分を面で覆い圧を分散させる
- 清掃は中性洗剤と柔らかい布を使用する(アルコール・塩素系はNG)
- 補修箇所に再度ヒビが入ったらすぐに使用を中止する
ひびの進行を止めても樹脂内部の劣化は進んでいるため、交換を前提に準備を進めましょう。
割れた便座の交換方法【簡単4ステップ!】
便座によってはご自分で交換できるケースがあります。自力で交換を検討している方は、以下の流れで交換してみましょう。
- 自分で交換可能な便座かどうかを確認する
- 新しい便座を購入する
- 交換に必要な道具を揃える
- 便座を交換する
各ステップについて詳しく説明していきます。
1.自分で交換可能な便座かどうかを確認する
便座交換が可能なタイプと交換不可能なタイプがあります。まずはトイレの便器の種類を見ていきましょう。
- 組み合わせ型(分離型)
- 一体型トイレ
- タンクレストイレ
上記のうち、便座交換できるタイプは組み合わせ型です。組み合わせ型は便器とタンク、便座が独立しているため1カ所のみの交換が可能です。
一方、一体型トイレやタンクレストイレは便座も含め一体型になっているため、便座のみの交換ができません。繋ぎ目がないのでデザイン的に美しく掃除しやすいのですが、メンテナンスが高額になる点がデメリットです。
組み合わせ型でウォシュレットなどではない普通便座なら、基本的にご自分で交換できます。
2.新しい便座を購入する
新しい便座を購入するにあたって、便座の種類を知っておきましょう。
便座のサイズは以下の2種類です。便座を設置する穴から便器本体の正面までの長さを測ります。
- 大きいタイプ(エロンゲートサイズ):470mm
- 普通のタイプ(レギュラーサイズ):440mm
便座の形は、以下の2種類です。
- 先端が別れたU型
- ドーナツのようなO型
耐久性はO型の方が優れています。
ただし、男性が使用する際に衛生面でU型の方が優れていること、便座カバーが設置しやすいことからU型の便座も人気です。普通便座の値段は、安いもので3000円未満から10,000円程度まで。
フタとセットになっているものも多いので、便座が割れたらフタも一緒に交換してもいいでしょう。
3.交換に必要な道具を揃える
販売されている交換用の便座は、固定金具といった設置に必要なものとセットになっています。そのため、以下の道具のみ揃えれば交換可能です。
- モンキーレンチ
- ドライバー(プラス・マイナス)
- トイレクリーナー
- ぞうきん
- 古い歯ブラシ
- 新しい便座
古い歯ブラシは便座を取り外したあと、便器に蓄積した汚れを取り除くためです。
便座を購入したら開封して固定金具などの数が揃っているか確認しておきましょう。添付された説明書を見れば、付属品の正しい数がわかります。
4.便座を交換する
今回は普通便座の交換方法を説明します。
便座にカバーをしている場合は、取り外しておきましょう。
- 便座を固定しているナットを左右2本とも取り外す(便器の裏側に固定されていますが、化粧板の中に設置されているケースもあります)※1
- 便座を引っ張るようにして取り外す(ロックするタイプはロックを外す)
- 便座の下にナットを固定しているボルトが見えてくるので、これも取り外しておく
- 掃除する(歯ブラシでこすって汚れを浮かせて、ぞうきんで拭き取る)
- 新しい便座に添付されているボルトを設置する
- ボルトをナットで固定する(取り外したときと反対の作業)
- ボルトに新しい便座を設置する(ロックするタイプは、忘れずにロックする)
- 座ってみてガタつきがなければ完了※2
※⒈固定ナットは、手で回して取り外せる場合もありますが、古くなって動かなくなっていたら、モンキーレンチを使いましょう。ただし、力を入れすぎると便器本体に負担をかけて、壊してしまうので慎重に扱ってください。
※⒉もしガタ付きがあるなら、左右の固定ボルトの設置方法に差があるのかもしれません。一度便座を取り外し、ボトルを確認してみましょう。
割れた便座の交換費用は?【料金相場】
忙しい方やご自分での設置に不安のある方は、業者に便座の交換を依頼しましょう。普通便座ではなくウォシュレットの場合は、業者への依頼がおすすめです。
ここでは、業者に依頼した際の費用目安をご紹介します。
| 作業内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 普通便座の交換 | 8,000円〜20,000円+本体価格 |
| 暖房便座 | 10,000円〜20,000円+本体価格 |
| 温水洗浄便座交換 | 15,000円〜30,000円+本体価格 |
| コンセント増設 | 15,000円〜20,000円+部品代 |
| 廃棄処分 | 0円〜1,000円 |
業者によって以下のような料金が発生します。作業に関係ない料金なので問い合わせ時に確認できます。
| 項目 | 相場費用 |
|---|---|
| 基本料金 | 0~5,000円 |
| 早朝・深夜料金 | 0~3,000円 |
| 出張料金 | 0~3,000円 |
| 見積もり費用 | 0~2,000円 |
作業を依頼する前に必ず見積もりを取ってください。すぐに契約させようと急かせる業者は、誠意がないので依頼しない方がいいでしょう。
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割れた場合に火災保険は利用できる?【適用条件と申請手順】
便座や便器が割れた場合、修理費用を火災保険で補填できる可能性があります。賃貸契約時やローン契約時に火災保険に加入している方は、契約内容を確認してください。
火災保険で修理・交換費用がカバーできるケース
火災保険の補償に破損・汚損損害が含まれていれば、修理交換費用をカバーできます。
ただし、以下の条件があります。
- 経年劣化ではない
- 突発的な事故で割れてしまった(故意に壊したわけではない)
便器の中には便座だけ交換できないタイプがあります。便器本体も交換が必要な場合、床の張り替えも必要です。
破損・汚損損害補償が含まれた火災保険なら、床の張り替え費用までカバーできる可能性があるので確認してみましょう。
火災保険を利用する際の流れ【申請手順】
火災保険の利用の流れは、以下のとおりです。
- 保険会社に割れた便器の画像を送って被害を報告する(補償金額の上限を確認)
- 業者に見積りを依頼する(保険会社に指定業者があるのかを確認)
- 保険会社に業者の見積書を提出する
- 保険会社に事後報告を書類で提出する
事後報告は基本的に業者がしてくれます。業者が施工前後の写真を添付した報告書を提出するはずです。火災保険利用に慣れている業者を選ぶことも大切です。
賃貸で便座が割れたらどうする?
賃貸住宅にお住まいで便座が割れたら、すぐに管理会社か大家さんに連絡しましょう。すぐに、便座を交換してもらえるはずです。うっかり壊してしまっても、火災保険が適用されるケースもあります。
連絡が面倒だからと応急処置だけで済ましていると、次のようなリスクがあります。
- ウォシュレットなら、電気の故障が起きて感電や火災が起きる可能性
- 応急処置をしていても、テープがベタついてくる
- 再度、割れた箇所が広がって、お尻を傷つけてしまう
退去のときは原状回復が必須です。割れた便座をそのまま放置すると、修理費用を払わなくてはいけません。退去のときはほとんどの場合火災保険が適用されないので、注意が必要です。
また、勝手に修理・交換すると、大家さんが費用を払うケースでも支払ってもらえなくなる可能性があります。以前設置していた便座と同じものに交換するように指示されるケースもあるので、面倒です。
大家さんとのトラブルにならないように、便座が割れたなどのトラブルが起きたらすぐに大家さんか管理会社に報告してください。
便座割れたら放置NG!水道修理業者にまずは相談を
本記事では便座が割れた際の応急処置や対処法・交換費用などについて解説しました。
便座の種類によっては、ご自分でも交換可能です。しかし、ウォシュレットなど電気設備がついているタイプは特に、ご自分での交換が難しいでしょう。便座が割れて困っている方はぜひ『マルキンクリーン』にご相談ください。
水道局指定業者のマルキンクリーンでは、便器修理3,300円〜承っています。現地調査・見積もりは原則無料、深夜や土日のトラブルにも迅速に対応させていただきます。
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- 便座が割れたまま使い続けても問題ないですか?
-
そのまま使っているとさらに割れて、おしりに破片が突き刺さるといったトラブルになるかもしれません。特に、ウォシュレットの場合は、感電などのトラブルの可能性もあるので、迅速な対応が必要です。
- 便座が割れた場合の応急処置の方法は?
-
布テープを巻き付けて、それ以上割れないようにしておきできるだけ迅速に交換してください。暖房便座やウォシュレットなどは、電気プラグを外しておきましょう。
- 割れた便座を自分で交換できますか?
-
組み立て型の便器の便座なら、ご自分で交換できます。特に、普通便座ならご自分で交換できるものがほとんどです。
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